研究課題/領域番号 |
12138202
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
斉藤 和季 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (00146705)
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研究分担者 |
野路 征昭 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (80271534)
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キーワード | 硫黄代謝 / 栄養吸収 / セリンアセチル転移酵素 / システイン合成 / シロイヌナズナ / メタボローム / メタボロミクス |
研究概要 |
(1)セリンアセチル転移酵素(SATase)について SATaseは、システイン生合成の重要な中間体であるO-アセチルセリン(OAS)を生成する酵素である。フィードバック阻害非感受型酵素遺伝子をシロイヌナズナに導入し、得られたトランスジェニックシロイヌナズナではシステイン、グルタチオンが増加していた。また、細胞質性のSATase遺伝子が欠損した変異体についてその表現型を解析した。 (2)マクロアレイを用いた硫黄欠乏応答機構の解明 硫黄欠乏(S欠)条件下の遺伝子発現の変化を包括的に記述し、さらにその制御機構を推定することを目的として、シロイヌナズナマクロアレイを用いた解析を行った(トランスクリプトミクス)。(1)発芽から3週間にわたりS欠処理を施した植物および、(2)通常条件からS欠条件またはOAS添加条件にシフトして2日目の植物を用いて、遺伝子発現の変化を解析した。その結果、S欠条件とOAS添加条件にシフトした時に変化する遺伝子セットに共通性が見られ、両条件で変動する約120個の遺伝子を同定することが出来た。また、メチルジャスモン酸代謝関連遺伝子とその誘導遺伝子群が硫黄欠乏で誘導されることが示された。 (3)網羅的代謝物プロファイリング 超高分解能フーリエ変換質量分析によって、上記トランスジェニック体や栄養条件下での代謝産物の変動について網羅的なプロファイリングを試みた(メタボローム解析、メタボロミクス)。その結果、いくつかの代謝経路の中間体の変動が見られ、一部はトランスクリプトミクスの結果と一致した。
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