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2002 年度 実績報告書

イネにおけるプロテインボディへの輸送・蓄積を制御する遺伝的メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 12138206
研究機関九州大学

研究代表者

佐藤 光  九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (70128031)

研究分担者 熊丸 敏博  九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (00284555)
キーワードイネ / 種子貯蔵タンパク質 / グルテリン / プロラミン / 細胞内輸送 / 突然変異 / 成分育種 / 化学変異原
研究概要

1)輸送・集積に関わる酵素タンパク質の同定と解析
野生型種子の二次元電気泳動により、PB、PB膜、細胞小器官、細胞小器官膜、細胞質の各画分から合計約130個のスポットを検出し、画分間共通スポットと特異的スポットに分類した。esp2変異体の欠損と増加スポットは、胚乳特異的PDIとBipであった。Glup1及びglup2両変異体では、増加スポットを検出した。
RFLP分析により、PDIはEsp2遺伝子の産物であると示された。SDG分析の結果は、PDIのグルテリン前駆体分子内のS-S結合形成への関与を強く示唆した。西村班から分与されたPAC小胞抗体(PV72、82)を用いたウェスタン分析の結果、野生型で発現が認められ、イネでのPAC輸送系の存在が示唆された。しかし、同定した9種の57H変異体は、BiP、PDI及び両PVの発現量に顕著な変異を示さず、これらの酵素以外の新たな因子に関する変異であることが明らかとなった。
2)精密度連鎖地図利用による遺伝子単離
Glup3候補遺伝子は、液胞プロセッシング酵素(VPE)遺伝子と高い相同性を示した。起源が異なる3系統のglup3変異体のVPE活性は、顕著に低下していた。塩基配列解析の結果、アミノ酸置換あるいは終止コドンの形成が認められ、Glup3遺伝子はVPEをコードすること、glup3変異はVPEの発現量もしくは活性の低下によると考えられた。また、染色体12及び3のDNAマーカーを用いて、glup4及びglup6遺伝子の連鎖地図を構築した。
3)57H変異体の作製と遺伝学的解析
CM935及びEM660は新規の57H変異遺伝子支配でり、それぞれglup7及びGlup8と命名した。SDG分析の結果より、両遺伝子は小胞体から液胞への輸送過程に関与すると推定した。さらに、高含硫プロラミンの減少を伴う57H変異体を含め、新たに30系統を選抜した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Y.Takemoto, S.J.Coughlan, T.W.Okita, H.Satoh, M.Ogawa, T.Kumamaru: "The rice mutant esp2 greatly accumulates the glutelin precursor and deletes the protein disulfide isomerase"Plant Physiology. 128. 1212-1222 (2002)

  • [文献書誌] Qu L.Q., X.L.Wei, H.Satoh, T.Kumamaru, M.Ogawa, F.Takaiwa: "Inheritance of alleles for glutelin α-2 subunit genes in rice and identification of their corresponding cDNA"Theoretical and Applied Genetics. 105. 1099-1108 (2002)

  • [文献書誌] T.Kumamaru, Y.Uemura, Y.Takemoto, M.Ogawa, H.Satoh: "High-resolution mapping of glup3 gene accumulating high amount of glutelin precursor"Rice Genetics Newsletter. 19(印刷中). (2002)

  • [文献書誌] Ushijima, T., H.Satoh, T.Kumamaru: "Mapping of esp1 gene for cystein-poor (CysP) prolamin decreased mutant in rice"Rice Genetics Newsletter. 19(印刷中). (2002)

  • [文献書誌] Pa Pa Aung, T.Kumamaru, H.Satoh: "Genetic diversity of seed storage prolamins, in Myanmar local rice cultivars"Rice Genetics Newsletter. 19(印刷中). (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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