• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

Fc受容体を介したIgE,IgGによるマスト細胞機能の調節

研究課題

研究課題/領域番号 12139201
研究機関東北大学

研究代表者

高井 俊行  東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (20187917)

キーワードPIR-B / inhibitory receptor / Th2 response / allergy / dendritic cell
研究概要

Immunoglobulin (Ig) -like receptor (IgLR)という範疇に属する新規なレセプター分子群が続々と単離され,その機能が注目され始めてまだ5年ほどしか経過していないが,これらが免疫調節に重要な役割を担う証拠が次々と挙がっている.マウスのPaired IgLR (PIR)は活性化シグナルを伝達するPIR-Aと,逆に抑制性シグナルを伝達するPIR-Bのペアからなる代表的なIgLRであるが,PIR-Bが欠損するとB細胞,樹状細胞のシグナル伝達が撹乱され,その免疫応答はTh2型に著しく偏ることを示した.B細胞と樹状細胞においてPIR-Bは定常状態の細胞の段階で既にそのITIMがチロシンリン酸化されており,その後BCR刺激やGM-CSF刺激に応じて,正常なシグナル伝達を助けている.PIR-Bが欠損したこれらの細胞ではBCRを介して,あるいはGM-CSF刺激後に細胞内に導入されるシグナル伝達が増強され,あるいは一過性になり,正常な応答が起らない.これにより樹状細胞は成熟が阻害され,IL-12産生が不十分になるためにTh1型応答への経路が阻害されてTh2型応答を起すようになると考えられる.したがって正常な免疫応答に不可欠であるこのレセプター・ペアが何を認識し,どのようなシグナルを細胞内に導入しているのか,さらに免疫疾患にどのように関連しているのかを明らかにすることがアレルギーや自己免疫などの発症を理解するうえでたいへんに重要になってきた.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Nakamura, A., et al.: "Deregulation of peripheral B cell development in enhanced severity of collagen-induced arthritis in FcγRIIB-deficient mice"J Autoimmu. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Yajima K, et al.: "FcγRIIB deficiency with Fas mutation is sufficient for the development of systemic autoimmune disease"Eur.J.Immunol. 33. 1020-1029 (2003)

  • [文献書誌] Akiyama K, et al.: "Targeting of apoptotic tumor cells to Fcγ receptors provides efficient and versatile vaccination against tumors by dendritic cells"J.Immunol. 170(4). 1641-1648 (2003)

  • [文献書誌] Kaifu, T., et al.: "Osteopetrosis and thalamic hypomyelinosis with synaptic degeneration in DAP12-deficient mice"J.Clin.Invest. 111(3). 323-332 (2003)

  • [文献書誌] Ujike, A., et al.: "Impaired dendritic cell maturation and increased T_H2 responses in PIR-B^<-/-> mice"Nature Immunol. 3. 542-548 (2002)

  • [文献書誌] Takai T.: "Roles of Fc receptors in autoimmunity"Nature Rev. Immunol. 2. 580-592 (2002)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi