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2000 年度 実績報告書

セラミド・シグナル調節による細胞死誘導機構の解明とその臨床的意義

研究課題

研究課題/領域番号 12140203
研究種目

特定領域研究(B)

研究機関京都大学

研究代表者

岡崎 俊朗  京都大学, 医学研究科, 講師 (40233308)

研究分担者 中島 茂  岐阜大学, 医学部, 教授 (60188935)
キーワードセラミド / アポトーシス / 白血病 / スフィンゴ脂質 / メディエーター
研究概要

我々は初めて細胞分化におけるセラミドの細胞内シグナル伝達分子としての機能を報告したが(J.Biol.Chem.,264:19076-19080,1989)、その後セラミドがアポトーシスによる細胞死におけるシグナル伝達系で重要であることが明らかとなってきた。我々はがん発症機構の解明と新規治療法の開発を目指し、セラミドによるアポトーシス誘導機構の解析を行なってきた。その結果、種々のストレスによりカスペースなどのアポトーシス実行分子がセラミドを介して活性化されることやPI-3キナーゼ等の細胞生存シグナルがセラミドにより抑制される事実が判明したものの、何がセラミド・シグナルの直接の上流・下流分子であるかと言う疑問に対する回答は依然不明である。したがって、今回、この未解決の課題について新たな発想と実験方法により直接のセラミド・シグナルの上流・下流分子を解明し、セラミド・シグナル調節機構の白血病発症への関与ならびに新治療法開発における臨床的意義を明らかにするための突破口としたい。
(1)セラミド受容体やセラミド結合蛋白の同定するために、抗セラミド抗体による免疫沈降法によりセラミドとPI3KやATM.PLD等のアポトーシス関連リン酸化酵素群との細胞内結合が示唆された。さらに、カスペースー3との介合も確認され、セラミドと種々のアポトーシス制御因子との直接制御が明らかとなった。さらに、(2)セラミド量を代謝・調節する機構の解明のために、SM合成酵素のクローニングを酵素欠損株を用いて実施中であり、(3)セラミドを介した分化・細胞死の臨床的、生理的意義の解明のためセラミドの変化とアポトーシスに起因するアルツハイマー病などの神経変性疾患の脳脊髄液中でのセラミドの意義についても解析中。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kondo T,Okazaki T. et al: "Role of c-jun expression increased by heat shock-and ceramide-activated cas pase-3 in HL-60 cell apoptosis : Possible involvement of ceramide in heat shock-indeced apoptpsis"J.Biol.Cem.. 275. 7668-7676 (2000)

  • [文献書誌] Kondo T,Okazaki T. et al: "Suppression of heat shock protein-70 by ceramide in heat shock-induced HL-60 cell apoptosis"J.Biol.Chem. 275. 8872-8879 (2000)

  • [文献書誌] Iwai K.,Okazaki T. et al: "Fulminant hepatitis B following bone marrow transplantation in a Hbs Ag-negative, Hbs Ab-positive recipient ; reactivation of dormant virus diring immunosuppressive period"Bone Marrow transplantation. 25. 105-108 (2000)

  • [文献書誌] Goda S,Okazaki T. et al: "CX3C-chemokaine, fractalkine enhanced adhesion of THP-1 cells to endotherial cells through integrin-dependent and independent mechanisms"J.Immunolo.. 164. 4313-4320 (2000)

  • [文献書誌] Yoneda O,Okazaki T. et al: "Fractalkine-mediated endotherial cell injury by NK cells"J.Immunolo.. 164. 4055-4062 (2000)

  • [文献書誌] Kondo T,Okazaki T. et al.: "Inhibition of ceramide-induced caspase-3 and lipid peroxidation by PI-3kinase ; Role of insulin growth factor-1 in ceramide mediated HL-60 cell apoptosis"Mol.Biolo.Cell. 11,Supl.. 253a (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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