研究課題/領域番号 |
12141201
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
大谷 清 東京医科歯科大学, 疾患遺伝子実験センター, 講師 (30201974)
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研究分担者 |
加藤 順也 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサンエンス研究科, 助教授 (00273839)
中村 正孝 東京医科歯科大学, 疾患遺伝子実験センター, 教授 (30180392)
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キーワード | E2F / 細胞周期 / DNA複製 / Differential Display法 / Subtraction法 |
研究概要 |
転写因子E2Fは、細胞周期の制御およびDNA複製に関連した遺伝子群の発現を制御することにより、細胞周期のG1期からS期への進行に中心的な役割を果たす。そこでG1期からS期への進行の制御メカニズムの詳細を調べるために、E2Fの新規標的遺伝子を探索している。このために、ラット繊維芽細胞を用いた系とアフリカツメガエル初期胚を用いた系を進行させている。ラット繊維芽細胞を用いた系では、休止期のラット繊維芽細胞株REF52にレコンビナントアデノウイルスを用いてヒトE2F1を過剰発現し、21時間後にmRNAを調整し、コントロール細胞由来のmRNAとの間で、Differential Display法およびSubtraction法を用いて、E2F1過剰発現細胞に特異的に誘導される遺伝子を検索した。Differential Display法ではE2F1過剰発現細胞特異的に15のバンドが観察され、クローニング・ノザンブロッティングの結果、そのうちの一つが確かにE2F1によって発現誘導されることが確認された。Subtraction法では、3ラウンドのSubtraction後に残ったcDNAをクローニングし、2000クローンを解析の対象とした。この中から約100クローンの遺伝子配列を決定しジーンバンクを検索した結果、既にE2Fの標的遺伝子であることのわかっているDNAポリメラーゼαが5クローン含まれていた。従って、Subtractionにより確かにE2F反応性遺伝子が濃縮されていることが確認された。既知の他の8つの遺伝子と未知の50の遺伝子について、本当にE2F1によって発現が誘導されているのかどうかを、ノザンブロッティングにより確認中である。また残りのクローンから重複するものを除去し、遺伝子配列の決定とジーンバンクの検索を進めている。アフリカツメガエル初期胚を用いた系では、初期発生過程におけるMidblastula移行(MBT)前後の胚から抽出したmRNAを用いてディファレンシャルスクリーニングを行い、MBT以後に発現が上昇する遺伝子の候補を150クローン得た。現在、これらの遺伝子のさらなる解析を進めるとともに、優性不能型E2Fにて抑制され、野性型E2Fによって活性化されるクローンの選別を行っている。
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