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2001 年度 実績報告書

複製開始複合体の形成とその制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 12141204
研究機関愛知県がんセンター

研究代表者

藤田 雅俊  愛知県がんセンター, 腫瘍ウイルス学部, 主任研究員 (30270713)

研究分担者 小布施 力史  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (00273855)
清野 透  愛知県がんセンター, 腫瘍ウイルス学部, 室長 (10186356)
キーワードヒト細胞 / DNA複製開始制御 / 細胞周期 / ORC蛋白 / CDC6蛋白 / MCM蛋白 / グロビン遺伝子 / クロマチン免疫沈降法
研究概要

本研究の目的は、ヒトORC、CDC6あるいはMCM等の複製開始調節蛋白質の時間的空間的制御を明らかにしようとするものである。まずそれらの核内構築や細胞周期制御を調べた。ORC2は細胞周期を通じて核内に存在しているが、クロマチン結合分画と、核マトリックス結合分画があった。一方、ORC1はほぼすべてが核マトリックスに結合していた。そして、ORC1とORC2は核マトリックス上で相互作用していた。よって核マトリックス上のORC2-5はORC1と複合体を形成し、これがDNA複製において機能していると推測される。我々はORC1がS期になるとユビキチン/プロテアソーム系によって分解されることを見出し、これは再複製抑制機構として重要であろう。CDC6も核マトリックスに結合していたが、ORCとの間に明らかな相互作用は認められなかった。一方、MCM複合体は、ORCの近傍のみならず、より広範囲なクロマチンに結合していることが示唆され、これはヒト細胞における複製開始ゾーンの存在の説明となるかもしれない。平行してヒトグロビン遺伝子座を標的としたCHIP法の検討を行った。非同調HeLa細胞を用いた予備的な結果は以下のようである。MCM3とMCM7はクロマチン上で複合体を形成しており、両抗体での結果が一致すると特異性が高いと言える。これまでの結果から、MCMは調べたすべての領域に結合している可能性が示された。これは前記した生化学的、細胞生物学的解析の結果と矛盾しない。しかし、複製開始点により高頻度で結合している可能性も示された。ORC2、CDC6は今の所明確な結果が得られていない。最も重要であると考えているORC1蛋白に関しては、tag付きORC1を安定発現している細胞を樹立し解析を始めた。CHIPに関してはさらなる検討が必要である。一方、我々は複製開始蛋白と相互作用している候補蛋白として、RB/E2Fによる転写制御に関与しているクロマチンリモデリング複合体の構成蛋白であるアクチン関連蛋白を同定した。機能解析のために有用なその変異蛋白を作成し、発現する細胞株の樹立に成功した。今後この系を用いてアクチン関連蛋白の核での機能の解析が進むと期待している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Arata, Y. et al.: "Cdk2-dependent and -independent pathways in E2F-mediated S phase induction"J. Biol. Chem.. 275. 6337-6345 (2000)

  • [文献書誌] Fujii, K. et al.: "The Epstein-Barr virus pol catalytic subunit physically interacts with the BBLF4/BSLF1/BBLF2/3 complex"J. Virol.. 74. 2550-2557 (2000)

  • [文献書誌] Yokoyama, N. et al.: "Co-expression of human chaperone Hsp70 and Hsdj or Hsp40 co-factor increases solubility of overexpressed target proteins"Biochim. Biophys. Acta. 1493. 119-124 (2000)

  • [文献書誌] Fujita, M. et al: "Nuclear organization of DNA replication initiation proteins in mammalian cells"J. Biol. Chem.. (In press).

  • [文献書誌] Shikata, K. et al.: "The human homologue of fission Yeast cdc27, p66, is a component of active human DNA polymerase delta"J. Biochem. 129. 699-708 (2001)

  • [文献書誌] Inada, H. et al.: "Keratin attenuates tumor necrosis factor-induced cytotoxicity through association with TRADD"J. Cell. Biol.. 155. 415-426 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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