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2000 年度 実績報告書

PTSリン酸リレー系とグルコース応答の包括制御

研究課題

研究課題/領域番号 12142203
研究種目

特定領域研究(B)

研究機関名古屋大学

研究代表者

饗場 弘二  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20025662)

キーワードグルコース応答 / His-リン酸リレー系 / PTS / グルコーストランスポーター / Mlc / mRNA分解 / RNaseE / 解糖系
研究概要

リン酸化と共役して糖の細胞内への取り込みを担うPTSは、バクテリアで発見された最初のリン酸リレー情報伝達系である。His-リン酸リレー系であるPTSは、より多様な機能を有していることが明らかになりつつあり、とりわけ細胞活性制御機能に注目が集まっている。本研究は、PTSの制御機能を中心に据えて、大腸菌におけるグルコース応答の包括的理解を目指し行われ、今年度は以下の成果が得られた。
1)Mlcを介するグルコースシグナリングの新機構の発見
ptsオペロンおよびIICBGlcをコードするptsGの転写がグルコースにより誘導されることおよびこれらの遺伝子のリプレッサーMlcを同定していた。グルコースの取り込みにより脱リン酸化したIICBGlcがMlcと結合し膜にMlcを局在化させることを見出した。転写因子が膜タンパク質のリン酸化状態に対応して細胞内の存在場所を変えることでその働きが制御されていることを示した新しい発見である。
2)解糖系によるptsGの転写後段階での発現調節機構の発見
解糖系の主要な酵素phosphofructokinaseの遺伝子pfkの変異により、ptsGの発現が大きく低下すること、この調節はmRNAの分解段階で行われていること、またmRNAの分解にはRNase Eが働いていることなどを発見した。この発見は糖代謝活性と糖代謝系遺伝子の転写後段階での発現調節の密接なリンクを示したものである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 木全恵子: "環境応答モデルとしてのグルコースシゲナリング"蛋白質 核酸 酵素. 45. 559-569 (2000)

  • [文献書誌] 田中裕也: "A novel regulatory role of glucose transporter of Escherichia coli : membrane sequestration of a global repressor Mlc."EMBO J.. 20. 5344-5352 (2000)

  • [文献書誌] 阿保達彦: "Ssr-mediated tagging and proteolysis of lacl and its role in the regulation of lac operon"EMBO J.. 19. 3762-3769 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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