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2004 年度 実績報告書

ヒスチジンキナーゼ共役型受容体を介した環境応答の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 12142204
研究機関名古屋大学

研究代表者

川岸 郁朗  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80234037)

研究分担者 本間 道夫  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50209342)
キーワード走化性 / シグナル伝達 / 受容体 / リン酸化 / 細胞内局在 / 蛋白質間相互作用 / 原核生物 / 病原性
研究概要

【1】大腸菌走化性受容体は刺激受容後にメチル化・脱メチル化されて脱感作=適応を起こす.我々は,脱メチル化酵素CheBが細胞の極に局在すること,その標的は受容体と複合体を形成するHisキナーゼCheAであることを示した.これは,すでに報告したメチル化酵素CheRの局在機構と全く異なる点で興味深い.また,メチル化による局在制御の可能性についても検討した.その結果,受容体の局在はメチル化によりわずかではあるが有意に促進されることが示された(投稿中).一方,CheBの局在はメチル化により顕著に促進された.これがCheBのリン酸化によることも示唆された(投稿準備中).すなわち,走化性蛋白質の局在が制御されている可能性が初めて示された.また,受容体局在の一細胞連続観察も行った.
【2】細胞極における走化性受容体のクラスター形成が効率よいシグナル伝達に重要と推定されている.我々は,S-S架橋を用いた解析から,受容体ダイマー間相互作用を初めて検出し,それがシグナル伝達に関係することを示している.この系を発展させ,クラスター内でのダイマー間の配向を推定した.さらに,受容体メチル化によって,ダイマー間の配向が変化すること,誘引物質の影響も著しく低下することが示された.これは,メチル化によるシグナル入出力関係の調節を示唆するもので,シグナル伝達機構の解明へ向けて大きな成果である(投稿準備中).
【3】コレラ菌には走化性(Che)蛋白質が複数セット,受容体は45存在する.各Cheシステムの働きを調べるため,応答調節因子CheYのホモログ5種をクローン化して機能解析を行った.その結果,CheY3のみが走化性に関与することが示された(投稿中).また,誘引物質として10種類のアミノ酸などを同定し,一部については受容体を同定した(投稿準備中).これらの解析から走化性と病原性の関連も示唆されている.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Targeting of the chemotaxis methylesterase/deamidase CheB to the polar receptor-kinase cluster in an Escherichia coli cell.2004

    • 著者名/発表者名
      Banno, S., Shiomi, D., Homma, M., Kawagishi, I.
    • 雑誌名

      Molecular Microbiology 53

      ページ: 1051-1065

  • [雑誌論文] Simultaneous measurement of sensor-protein dynamics and motility of a single cell by on-chip microcultivation system.2004

    • 著者名/発表者名
      Inoue, I., Shiomi, D., Kawagishi, I., Yasuda K.
    • 雑誌名

      Journal of Nanobiotechnology 2

      ページ: 4-7

  • [雑誌論文] ビブリオ菌におけるべん毛および走化性関連遺伝子と病原性2004

    • 著者名/発表者名
      百武晃宏, 川岸郁朗, 本間道夫
    • 雑誌名

      日本細菌学雑誌 59

      ページ: 403-414

  • [図書] リポソーム応用の新展開〜人工細胞の開発に向けて〜(うち「膜を介したシグナル伝達」を分担執筆)(秋吉一成, 辻井薫 監修)2005

    • 著者名/発表者名
      坂野聡美, 川岸郁朗
    • 出版者
      エヌ・ティー・エス(出発予定)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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