研究課題/領域番号 |
12142205
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
青山 卓史 京都大学, 化学研究所, 助教授 (80202498)
|
研究分担者 |
岡 穆宏 京都大学, 化学研究所, 教授 (10093212)
|
キーワード | 二成分制御系 / リン酸リレー / レスポンスレギュレーター / 転写因子 / サイトカイニン / 誘導系 / 転写活性化 / 細胞内シグナル伝達 |
研究概要 |
これまでの当研究において、シロイヌナズナのHis-Aspリン酸リレー型シグナル伝達に関与する転写因子型レスポンスレギュレーターであるARR1およびARR2がサイトカイニンの細胞内シグナル伝達に関わり、サイトカイニンに対する初発応答遺伝子の転写活性化を行うことが示されている。平成15年度においては、これらの転写因子が直接転写調節を行う標的遺伝子を明らかにすることにより、初発応答遺伝子からサイトカイニン応答現象に至る経路を解明しようとした。その結果、これまでに初発応答遺伝子であると報告されていた非転写因子型レスポンスレギュレーター遺伝子はすべてARR1の標的遺伝子になり得ることが明らかになった。その他サイトカイニンに対する早期応答遺伝子であると報告されているものに関して解析を行った結果、それらを初発応答遺伝子と2次的な応答遺伝子とに分別することができ、さらに初発応答遺伝子をARR1が直接制御するものとそうでないものに分別できた。これらのことから、サイトカイニンに対する初発応答遺伝子の転写制御には、ARR1やその類似タンパク質以外にも他の転写因子が関与することが示唆された。また、ARR1が植物体内において、サイトカイニン受容体であるWOL/CRE1からの情報伝達の下流に位置するかどうかを検討するため、wol突然変異体の表現型をARR1による標的遺伝子の転写活性化が相補できるかどうか調べた。その結果、構成的転写活性化能を有する変異型ARR1をWOL/CRE1のプロモーターの制御下で発現させたとき、wol突然変異体の根における表現型が部分的に回復することが示された。このことは、少なくとも根においてARR1がWOL/CRE1の下流で働いていることを示す。
|