研究課題/領域番号 |
12143101
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田中 亀代次 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 教授 (80144450)
|
研究分担者 |
関口 睦夫 大阪大学, 生物分子工学研究所, 所長 (00037342)
山泉 克 熊本大学, 医学部, 教授 (70107093)
安井 明 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (60191110)
小川 英行 岩手看護短期大学, 教授 (70028207)
花岡 文雄 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 教授 (50012670)
|
キーワード | DNA修復 / 損傷乗り越え修復 / DNA損傷トレランス / 転写 / 色素性乾皮症 / コケイン症候群 / 紫外線 / ノックアウトマウス |
研究概要 |
本研究は、細胞内でのDNA修復ネットワークの機構を分子、細胞、個体のレベルで解明することを研究目標とする。本年度の成果として、「転写と共役した修復(TCR)」機構を欠損するコケイン症候群の原因遺伝子産物CSA蛋白質を複合体として精製し、TCRに必要と考えられる多くの蛋白質を同定した。DNA損傷をゲノム全般にわたって修復することのできる「ゲノム全体の修復(GGR)」の初期段階に関与する色素性乾皮症C群(XPC)蛋白質とHR23B蛋白質の複合体が、損傷そのものではなく損傷に件って誘起されるDNA二重鎖構造の何らかの異常を認識して結合すること、in vitro NER系においてDNA鎖の切り出しが起こるためには実際に損傷塩基が存在することが必要であり、NERにおける損傷認識が少なくとも2段階の反応によって行われていることを明らかにした。損傷DNA結合蛋白質DDBが色素性乾皮症A群(XPA)蛋白質と損傷DNA上で相互作用し、NER活性を上昇させること、XPCよりも前段階でNER機構に関与することを明らかにした。色素性乾皮症バリアント群(XP-V)の原因遺伝子産物であるDNAポリメラーゼηは紫外線のみならず活性酸素やAAF、グアニンの鎖内架橋体も乗り越え複製をし,高い効率で正しい塩基を対合して変異を押さえていることを明らかにした。DNA損傷トレランスに関わるRAD18遺伝子のヒト及びマウスホモログを単離し、mRAD18欠損細胞及びマウスを作成した。マウスは個体レベルでは明らかな異常を示さなかったが、mRAD18欠損細胞は姉妹染色体交換や相同組み換えの頻度も上昇していた。単鎖切断の細胞応答を解析する実験系を開発すると共に、レーザーと顕微鏡を組み合わせた実験系を用いて種々のDNA損傷に対するリアルタイムの細胞応答を解析する実験系を開発した。
|