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2004 年度 実績報告書

塩基損傷・単鎖切断の修復ネットワークと細胞死

研究課題

研究課題/領域番号 12143201
研究機関東北大学

研究代表者

安井 明  東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (60191110)

研究分担者 高尾 雅  東北大学, 加齢医学研究所, 講師 (70216612)
キーワードDNA損傷 / 活性酸素 / DNA修復 / 単鎖切断 / 紫外線
研究概要

活性酸素で生じるDNA損傷に塩基損傷と単鎖切断があるが、特に後者は複製を経て二重鎖切断をもたらしゲノム安定性に関わる重要な損傷であるが、これまで余り研究されてこなかった。その理由の一つは細胞内に単鎖切断のみを作る方法がなく、塩基損傷との混合を解析していたからである。我々はその状況を打開するために、ヒト細胞での単鎖切断の修復を解析する実験系(XPA-UVDEの系)を開発した。この系は、紫外線損傷を修復出来ないヌクレオチド除去修復の欠損ヒトXPA細胞に種々の紫外線損傷の直ぐ5'側にニックを入れるアカパンカビ由来その酵素UVDEを発現させ、紫外線損傷の場所にニックを入れてその修復プロセスを解析する実験方法である。さらに紫外線をフィルター上の小孔を通してヒト細胞核の一部に当てることにより、局所的に紫外線損傷を作り、細胞内で発現させたUVDEの働きにより単鎖切断が局所的に作られる系を開発した。この方法により単鎖切断はその近傍にポリADPリボシル化を招き、そこにXRCC1が集積することで修復が開始されることが初めて明らかになった。また、レーザーを用いた種々の活性酸素損傷をヒト細胞の核に局所的に作成する方法の開発とそれを用いた修復プロセスのリアルタイム解析を行い、XRCC1の集積がなければ、PolβやPCNAが損傷部位に集積しないことを明らかにした。すなわち、単鎖切断も塩基損傷の修復と同じようにショートパッチとロングパッチがあり、XRCC1に依存して修復合成の二つの経路の一つが損傷依存的に機能することを実際の細胞の中で明らかにした。このように、これまでに長く課題とされていた疑問に答え、将来の発展的研究を約束する研究の展開があった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] DNA glycosylase activities for thymine residues oxidized in the methyl group are functions of the hNEIL1 and hNTH1 enzymes in human cells2005

    • 著者名/発表者名
      Zhang QM, 他
    • 雑誌名

      DNA Repair 4

      ページ: 71-79

  • [雑誌論文] In situ analysis if repair processes for oxidative DNA damage in mammalian cells.2004

    • 著者名/発表者名
      Lan L.他
    • 雑誌名

      Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101

      ページ: 13738-13743

  • [雑誌論文] Functional and physical interacting between ERCC1 and MSH2 complexes for resistance to cis-diamminedichloroplatinum(II) in mammalian cells2004

    • 著者名/発表者名
      Lan L.他
    • 雑誌名

      DNA Repair 3

      ページ: 135-143

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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