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2002 年度 実績報告書

ヌクレオチド除去修復反応の細胞内調節機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12143202
研究機関金沢大学

研究代表者

松永 司  金沢大学, 薬学部, 教授 (60192340)

研究分担者 若杉 光生  金沢大学, 薬学部, 助手 (80345595)
石垣 靖人  金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (20232275)
キーワードDNA損傷 / ヌクレオチド除去修復 / DDB / シクロブタン型ピリミジンダイマー / (6-4)光産物 / 局所紫外線照射 / 試験管内修復反応 / XPA
研究概要

1)紫外線誘発DNA損傷部位におけるヒストンH2AXリン酸化反応の解析
局所紫外線照射法と蛍光免疫染色法を利用した解析系は、DNA修復関連因子のDNA損傷部位への集積様式を解析するのに有用であったが(昨年度報告)、本年度はこの系を応用して、紫外線誘発DNA損傷の生成部位におけるヒストンH2AXのリン酸化について検討した。これまで、電離放射線によるDNA二本鎖切断生成に伴うH2AXのリン酸化はよく知られていたが、局所紫外線照射後15〜30分程度から損傷部位特異的にH2AXのリン酸化が認められ、紫外線損傷によっても同じ反応が起きることが明らかとなった。また、この反応にはDNA合成期依存的なリン酸化と非依存的なリン酸化が存在し、前者はDNA複製装置が損傷部位で停止した後の相同組換え反応と関連するのに対し、後者はヌクレオチド除去修復反応に依存した反応であることが示唆された。
2)DDBのヌクレオチド除去修復促進反応メカニズムの解析
我々は、昨年度、DNA損傷に対して高い親和性を示すDDB(damaged-DNA binding protein)が、シクロブタン型ピリミジンダイマーを基質とした試験管内ヌクレオチド除去修復反応を顕著に促進することを明らかにしたが(Wakasugi et al.,2003)、本年度はこのDDBによる修復促進効果の作用メカニズムについて詳細に解析した。その結果、DDBはヌクレオチド除去修復の必須因子であるXPAと直接的に相互作用し、XPAの損傷DNAへの結合性を顕著に上昇させることを見出した。また、XPA上に存在するDDBとの相互作用部位を同定し、この部位に1アミノ酸置換型変異を導入することでDDBの修復促進作用が消失することを明らかにした。以上の結果より、DDBはXPAを損傷部位に効率的にリクルートすることで修復反応を促進することが示唆された。一方、ニワトリDT40細胞よりDDB1 cDNAをクローニングすることに成功し、アミノ酸配列レベルでヒトと97%という極めて高い相同性を示すことを明らかにした(Fu et al.,2003)。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Wakasugi, M.: "DDB accumulates at DNA damage sites immediately after UV irradiation and directly stimulates nucleotide excision repair"J.Biol.Chem.. 277(3). 1637-1640 (2002)

  • [文献書誌] Spivak, G.: "Ultraviolet-sensitive syndrome cells are defective in transcription-coupled repair of cyclobutane pyrimidine dimers"DNA Repair. 1(8). 629-643 (2002)

  • [文献書誌] Fu, D.: "cDNA cloning of the chicken DDB1 gene encoding the p127 subunit of damaged DNA-binding protein"Gene Genet. Syst.. (in press). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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