研究課題/領域番号 |
12143208
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研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
塩見 忠博 放射線医学総合研究所, 低線量生体影響プロジェクト, 研究員 (40162573)
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研究分担者 |
森 雅彦 放射線医学総合研究所, 放射線障害研究グループ, 研究員 (30270614)
高萩 真彦 放射線医学総合研究所, 低線量生体影響プロジェクト, 研究員 (30260235)
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キーワード | 色素性乾皮症G群 / 疾患モデルマウス / ヌクレオチド除去修復 / 塩基除去修復 / 早期死亡 / 老化 |
研究概要 |
色素性乾皮症(XP)G群患者でCSを併発する患者のXPG遺伝子の突然変異が調べられており、これらの患者すべてにXPG蛋白のC末を欠損する変異が見つかっている。XPG蛋白と出芽酵母のホモログRad2蛋白を比較すると、C末(Rad2のC末に相当する部位)にも顕著な相同性(C領域、約34%が同一アミノ酸)が保存されていることからCS発症に関連する重要な生体機能を担っているものと推定される。そこで、C末欠損とCS発症との関係を調べるため、C末欠損変異を導入した2系統のXpg変異マウスを作製した。1系統は、エクソン15を欠損した系統で、XpgΔex15と名付け、もう1系統は、Xpgの811番目のアミノ酸(アスパラギン酸)をストップコドンに置き換えた系統でXpgD811stopと名付けた。XpgΔex15はXpgのC末183アミノ酸を欠損しC領域の大部分を残しており、XpgD811stopはC末360アミノ酸を欠損しC領域全てを失っている。これらの変異をホモに持つマウスを作出し、これらマウスの成長並びに生存期間を測定した。XpgΔex15ホモマウスは、誕生後の成長及び生存期間は野生型マウスと遜色が認められず、CS発症の兆候は認められなかった。一方、XpgD811stopホモマウスは誕生後明らかな成長阻害がみられ大部分(24匹中22匹)が30日以内に死亡した。残り2匹のマウスも明らかな成長阻害が認められ誕生後78日目と139日目に死亡した。このようにC末欠損ではなく、C領域欠損の有無とCS発症が密接な関係にあることが明らかになった。
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