研究概要 |
1)チャネル蛋白質の立体構造モデルの作成手法の改良 本年度は、昨年度までに準備した溶媒の効果を取り入れるGeneralized Born法とマルチカノニカル分布を自動的に発生できるForce-biased multicanonical MD法を組み合わせてモデル構築を行う手法を確立し、膜蛋白質ではflexibleなことが多い細胞質内ドメイン等のループ構造に対してモデリングと低分子のドッキング・シミュレーションを実施し、その有効性を確認した。 2)相同相互作用データベース(HINT)の構築と公開 蛋白質間相互作用を研究するため、新たに相同な相互作用を種々の生物種の相互作用データから抽出し、それらを統合したデータベース(Homologous INTeraction database : HINT)を構築し、公開した,また、その解析から、High Through Putデータの信頼性を推定する情報科学的手法を開発した。 3)NMRのresidual dipoleとsaturation transferとを組み合わせる手法による蛋白質・リガンド複合体のモデリング手法の開発 阻害剤とチャネル蛋白質との相対配置の知見が得られるNMRのresidual dipoleの値をSaturation Transferの実験値に加えて最適な複合体モデルを構築する手法を開発した。 4)Brownian Dynamics法によるチャネル蛋白質の電気伝導度解析 新たに開発したBrownian Dynamicsのプログラムを稼働させ、K^+-チャネルに対してK^+イオンのチャネル透過率を推定することができるようになった。
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