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2002 年度 実績報告書

細胞間隙における物質輸送の分子メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 12144208
研究機関大阪大学

研究代表者

堀口 安彦  大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00183939)

研究分担者 古瀬 幹夫  京都大学, 医学研究科, 助教授 (90281089)
岡 清正  大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (70314474)
三宅 眞実  大阪大学, 微生物病研究所, 講師 (10251175)
キーワード腸管病原性大腸菌 / インチミン / タイトジャンクション / Tir
研究概要

腸管病原性大腸菌(EPEC)の感染による、腸管上皮細胞間バリアーの破壊機構を解析した。EPECは宿主細胞内に病原因子を注入する3型分泌機能を有しており、分泌装置を構成するタンパクと分泌される病原因子が遺伝子上約35kbpの領域(LEE)に集約してコードされている。本研究課題のこれまでの成果から、LEEに存在する遺伝子のうち、tir, eae, escC, espA, espD, espBが腸管上皮バリアーの破壊に関与することが明らかとなっている。特に、eaeあるいはtir遺伝子の欠失により、EPECの上皮バリアー破壊能は著しく低下した。それぞれの遺伝子がコードするタンパク、インチミン及びTirはEPECが腸管上皮細胞に密着する際の接着因子(インチミン)と宿主細胞に移入されたインチミン受容体(Tir)として働く。そこで、インチミン欠損株とTir欠損株を組み合わせて腸管上皮細胞モデルに感染させたところ、1)腸管上皮バリアー破壊にはTirとインチミンの結合が必須である、2)Tir-インチミン結合を介して宿主細胞に密着したEPECはさらに病原因子を宿主細胞に注入する、3)この際の病原因子が何らかの機構で上皮バリアーを破壊する、ということがわかった。現在Tir-インチミン結合後にEPEC内で生じるシグナル伝達系の解析と、Tir-インチミン結合後に働いて上皮バリアー破壊に関与する病原因子の同定を進めている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Shime, H.: "Association of Pasteurella multocida toxin with vimentin"Infect.Immun.. 70・(11). 6460-6463 (2002)

  • [文献書誌] Hong, Y.: "Requirement of N-glycan on GPI-anchored proteins for efficient binding of aerolysin but not Clostridium septicum α-toxin"EMBO J.. 21・(19). 5047-5056 (2002)

  • [文献書誌] Matsuzawa, T.: "Identification of a receptor-binding domain of Bordetella dermonecrotic toxin"Infect.Immun.. 70・(7). 3427-3432 (2002)

  • [文献書誌] Masuda, M.: "In vivo modifications of small GTPase Rac and Cdc42 by Bordetella dermonecrotic toxin"Infect.Immun.. 70・(2). 998-1001 (2002)

  • [文献書誌] Akeda, Y.: "Dominant-negative Rho, Rac, and Cdc42 facilitate the invasion process of Vibrio parahaemolyticus into Caco-2 cells"Infect.Immun.. 70・(2). 970-973 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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