研究課題/領域番号 |
12145201
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
高田 慎治 岡崎国立共同研究機構, 統合バイオサイエンスセンター, 教授 (60206753)
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研究分担者 |
越田 澄人 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (40342638)
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キーワード | 大節 / 中胚葉 / 突然変異体 / スクリーニング / ゼブラフィッシュ / ポジショナルクローニング |
研究概要 |
脊椎動物の体節形成機構の分子メカニズムを明らかにするため、本年度はゼブラフィッシュをモデル系に2つのアプローチを用いた。1つは、体節形成に異常を示す突然変異体の解析である。我々はすでに昨年度までに体節形成に異常を呈する突然変異体を約10系統樹立してきた。本年度は、そのうちの7系統に着目して、ポジショナルクローニングにより変異の原因遺伝子の同定を試みて来た。これまでのところ、そのうちのほぼ5系統については遺伝子をほぼ同定している。これらは、計2つの遺伝子座にマップされ、コードするタンパク質は機能的には強い相関を示す。これらタンパク質はこれまで体節形成への関与が考えられていなかったものであり、今後の独自な展開が期待される。残りの2系統についても、染色体上の原因遺伝子の位置を1センチモルガン以下の精度で同定しており、次年度には原因遺伝子が同定できるものと期待される。このような突然変異体の解析と平行して、体節前駆細胞の増殖や分化や分節化が起きる場である尾芽と未分節中胚葉に着目し、これらの組織から抽出したmRNAを用いてcDNAライブラリーを作成した。このライブラリーの各クローンをプローブにしてin situ hybridizationにより、尾芽と未分節中胚葉に特異的に発現する遺伝子を数多く同定した。その機能を解析するため、翻訳開始点付近の塩基配列に相補的なモルフォリノアンチセンスオリゴヌクレオチドをゼブラフィッシュ胚に顕微注入することによって機能阻害を試みた。その結果、未分節中胚葉の後方側に発現しFGFシグナルによって誘導される新規bKLh遺伝子が、予定体節細胞を未分化名状態にとどめておく上で必須な役割を演じていることが明らかになった。
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