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2001 年度 実績報告書

一酸化炭素センサーとして機能する転写調節因子CooAの構造と機能

研究課題

研究課題/領域番号 12147203
研究機関北陸先端科学技術大学院大学

研究代表者

青野 重利  北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (60183729)

研究分担者 中島 洋  北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (00283151)
キーワードヘム / センタータンパク質 / 転写調節因子 / X線吸収微細構造
研究概要

転写調節因子CooAは、その分子中にCOセンサーとして機能するプロトヘムを有している。本研究では、EXAFS(Extended X-ray Absorption Fine Structure)法により、CooA中に含まれるヘムの配位構造の決定を行ない、鉄配位子間の結合距離を精密に決定した。部位特異的変異導入の結果も総合し、酸化型ヘムではPro2とCys75が、還元型ヘムではPro2とHis77が、CO結合型ヘムではHis77とCOが、それぞれヘムに軸配位していることを明らかにした。ヘムの酸化状態変化に伴う、Cys75とHis77との軸配位子交換反応が進行するため、CooAは特異な電気化学的挙動を示す。すなわち、電気化学的酸化還元滴定において、酸化滴定曲線と還元滴定曲線に約60mVのヒステリシスが存在する。還元電位は-320mV、酸化電位は-260mVと決定された。
本研究ではさらに、NMR法により、COによるCooA活性化機構について検討した。その結果、COがヘムに配位する際に、還元型ヘムに配位していたPro2と置換し、Pro2がヘムから解離することが、活性化の引き金になっていることを明らかにした。さらに、His77をチロシンに置換したH77Y変異体においては、COがPro2のトランス位に配位し、CO結合型においてもPro2がヘムに軸配位したままであることも見出した。H77Y変異体は、野生型CooAの場合とは異なり、COによる活性を受けない。これは、本変異体ではCOの配位する位置が野生型とは異なるため、COがヘムに配位した際に、活性化に必要な構造変化が起こらないためであると考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Hirohsi Nakajima: "Redox properties and coordination structure of the heme in the CO-sensing transcriptional activator, CooA"J. Biol. Chem.. 276・10. 7055-7061 (2001)

  • [文献書誌] Katuhiko Yamamoto: "Binding of CO at the Pro^2 side is crucial for the activation of CO-sensing transcriptional activator CooA. ^1H NMR spectroscopic studies"J. Biol. Chem.. 276・15. 11473-11476 (2001)

  • [文献書誌] Shigetoshi Aono: "Structure and function of the heme-based sensor proteins"RIKEN Review. 35・5. 98-101 (2001)

  • [文献書誌] Hirohsi Nakajima: "Ligand-Switching Intermediates for the CO-Sensing Transcriptional Activator CooA Measured by Pulse Radiolysis"J. Biol. Chem.. 276・41. 37895-37899 (2001)

  • [文献書誌] I.V.Rubtsov: "Conformational dynamics of transcriptional regulator CooA protein studied by subpicosecond mid-infrared vibrational spectroscopy"J. Am. Chem. Soc.. 123・41. 10056-10062 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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