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2002 年度 実績報告書

一酸化炭素センサーとして機能する転写調節因子CooAの構造と機能

研究課題

研究課題/領域番号 12147203
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

青野 重利  岡崎国立共同研究機構, 統合バイオサイエンスセンター, 教授 (60183729)

研究分担者 中島 洋  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (00283151)
キーワードヘムタンパク質 / 転写調節因子 / センサータンパク / DNA結合タンパク質
研究概要

紅色非硫黄光合成細菌Rhodospirillum rubrum中に含まれる転写調節因子CooAは、一酸化炭素を生理的なエフェクターとする、これまでに全く例のない、新規な転写調節因子である。その分子中には、一酸化炭素センサーの本体として機能するプロトヘムが含まれている。本研究では、各種分光学的な測定と、遺伝子工学、および分子生物学的な実験手法を駆使することにより、CooAの構造と機能の解明を目的として研究を行った。その結果、CooA中のヘムは、下記(1)〜(3)に示すような、従来のヘムタンパク質では見られない、特異な性質を有していることが明らかとなった。
(1)酸化型、還元型ヘムには、N末端のプロリン残基が軸配位子として配位している。
(2)酸化型ヘムにはCys75が、還元型ヘムにはHis77が軸配位しており、ヘムの酸化状態変化にともない、Cys75とHis77との間で軸配位子交換反応が進行する。
(3)還元型ヘムは、配位飽和な6配位構造を有しているにも関わらず、一酸化炭素と容易に反応し、CO結合型ヘムを生成する。その際、還元型ヘムに配位していたProとCOとの間で軸配位子交換反応が進行する。
上記の特異な性質は、CooAの機能発現に密接に関与している。Cys75とHis77との間の軸配位子交換反応は、CooA中のヘムの酸化還元電位を精密に制御することにより、CooAの活性化、不活性化に関与していると考えられる。CooAは、CO結合型においてのみ転写活性化因子としての活性を示す。これは、COとProとの間で軸配位子交換反応が進行することで、CooA分子の構造変化が誘起されるためであると考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Shigetoshi Aono: "Resonance Raman and ligand binding studies of the oxygen-sensing signal transducer protein HemAT from Bacillus subtilis"J.Biol.Chem.. 277・16. 13528-13538 (2002)

  • [文献書誌] 青野重利: "一酸化炭素による遺伝子発現制御:COセンサーとして機能する転写調節因子CooAの構造と機能"化学と生物. 40・3. 206-210 (2002)

  • [文献書誌] 青野重利: "微生物におけるCOの受容システム"医学のあゆみ. 201・8. 533-536 (2002)

  • [文献書誌] 青野重利: "ヘムを活性中心とするセンサータンパク質の構造と機能"生物物理. 45・5. 230-235 (2002)

  • [文献書誌] 青野重利: "一酸化炭素センサーとして機能する転写調節因子CooAの構造と機能"Molecular Medicine. 40・2. 158-164 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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