研究課題/領域番号 |
12147206
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
箱嶋 敏雄 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (00164773)
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研究分担者 |
北野 健 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (40346309)
岡田 健吾 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (60304169)
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キーワード | X線 / 構造生物学 / 金属 / ジストニア / アロステリック |
研究概要 |
DNAの複製および塩基除去修復の過程で生じるRNAプライマーや損傷ヌクレオチドは、最終的に副産物としてDNAポリメラーゼによって鋳型鎖から引き剥がされ、1本鎖突出構造(flap構造)を形成する。Flap endonuclease-1(FENI)は、Mgイオンを活性部位にもつ構造特異的エンドヌクレアーゼとして、このflap DNAを特異的に切断除去し、細胞の癌化や疾患を抑制している。本酵素は、それ単独でもflap DNAを認識して酵素活性を示すが、DNAクランプとして機能するproliferating cell nuclear antigen(PCNA)によって、酵素活性が数十倍に促進されることが知られている。 本研究では、分解能2.9Åで構造解析した。活性部位には、2個のMgイオンがクラスター状になって存在していた。FEN1-PCNA複合体から、FEN1の触媒ドメインとPCNA結合部位を連結するループがヒンジとして機能していることを解明した。PCNA上のFEN1は、flap DNAの切断部位に活性中心を近づけるために、このヒンジを利用して、スイング運動をしていると考えられる。これを確かめるための変異実験を開始した。
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