研究概要 |
本年度は,3つの研究室で以下のような成果が得られた。 1.武田研:メダカWGS法によるメダカゲノムプロジェクトは現在最終段階に入っている。生成されたscaffoldを染色体上へ貼り付けるため、南日本集団のHd-rR系統と北日本集団のNHI系統の配列比較によりみつかるSNPsの3,000個のマッピングを96個のバッククロスパネルを用いて行った。 2.堀研:形態形成遺伝子群として知られるHox遺伝子クラスターをメダカで解析した。その結果、メダカHoxクラスターはゼブラフィッシュ同様7クラスターで、哺乳類の4クラスターと大きく相違していた。またメダカにはhoxCbが存在せず,ゼブラにはhoxDbが存在しない、という大きな相違が両者間でみられた。これは重複し一度8倍化したクラスターがメダカとゼブラでは再編成過程で異なるクラスターが消滅した可能性を意味している。我々の構築したメダカHd-rR BACライブラリーの維持、分配、さらにこれを用いてメダカ連鎖群22および、メダカ連鎖群1のBACコンテイグマップ作り行ない、各々のその全体および約3分の1の地図を作成した。 3.工藤研:(1)166種類のメダカ心臓・骨・ヒレ突然変異体から相補性検定等により変異体ラインとして20種類を確立し、ポジショナルクローニングを開始した。現在4種類に関してはその候補遺伝子が明らかになりつつある。(2)Tie2-GFPトランスジェニックを用いたGFP蛍光下での血管変異体スクリーニングの結果、卵黄血管と体節間血管に異常のある変異体、2種類が得られた。(3)ヒレ再生に特異的に発現する遺伝子、2種類について発生過程での発現解析を行い、その中の1つは常に再生を繰り返す器官である咽頭歯に特異的に発現していた。
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