研究分担者 |
菊池 健次郎 旭川医科大学, 医学部, 教授 (30045455)
井ノ上 逸朗 東京大学, 医科学研究所, 客員助教授 (00192500)
蒔田 芳男 旭川医科大学, 医学部, 助手 (20271778)
杉山 卓郎 朝日生命成人病研究所, 検査部, 部長
塩鮑 邦憲 島根大学, 医学部, 助教授 (10108384)
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研究概要 |
本態性高血圧の感受性遺伝子を同定するため,1.全国レベルの大規模症例収集,2.候補遺伝子の選択,3.候補遺伝子のハプロタイプ構築,4.候補遺伝子のハプロタイプ関連解析,をおこなった.全国レベルの大規模症例収集は循環器外来を中心とした収集に加え,地域および職域集団を対象にした.最終的に高血圧症例約1600検体,地域および職域集団から2200検体を得た.この中から,症例および対照,各200例を抽出した.候補遺伝子は長期塩分負荷によりマウス腎臓で発現が変化した遺伝子および文献上,興味深い遺伝子,腎臓で発現する遺伝子を121個,抽出した.この候補遺伝子領域にあるSNPを,日本人SNPデータベースを中心に選び,ハプロタイプ解析をおこなった.その結果,我々が決めた基準を満たしたハプロタイプ構築が完成した73遺伝子を対象に解析を進めた.タイピング対象検体は我々が収集した検体に,高血圧グループの愛媛大学,大阪大学,日本大学の検体を加えた症例888例,対照840例である.関連解析は,2個以上のSNPsタイピングができる69遺伝子を対象にcontigency table法でおこなった.permutation p valueが0.05以下になったものをpositiveと判断した.その結果,全体でpositiveになったものは合計12遺伝子,男性および女性でpositiveになったものはそれぞれ12個と23個であった.全体と男性でpositiveになったものは9個,全体と女性でpositiveになったものは5個,全てでpositiveになったものは3個であった.さらに絞り込むためhaplotype infbrence法で関連解析をおこなったところ,男性,女性,全体のいずれかでpositiveになった遺伝子は,合計10個であった.現在,この10遺伝子の内,3遺伝子に関して詳細な解析を実施中である.
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