研究課題
1)心筋梗塞の網羅的マイクロサテライト(MS)解析:心筋梗塞感受性遺伝子座を網羅的にスクリーニングすることを目的として、患者-健常者各1プールを用いて約18,000のMSタイピングを行い、関連を示す約2,000個の多型MSマーカーを選択した。これらのMSを別の1組の患者-健常者プールで二次スクリーニングし、242種のMSマーカーを得た。ついで、プールに用いた個体の個別タイピングを施行し関連が確認されたMSについて、さらに別の患者-健常者各200名の個別タイピングを実施し、5座位で有意な関連を確認した。2)高血圧性心疾患の解析:食塩感受性高血圧ラット心筋で発現変化する遺伝子群のヒトオルソローグを解析し,高血圧性心筋症に有意に関連するDSS10遺伝子変異を同定した。また,DSS10はTcapに結合すること,疾患関連変異はその結合性を減弱することを解明した。一方、DSS10と類似した発現変化パターンを示すMLP、サイファー、FHL2遺伝子のそれぞれについて、その変異が拡張型心筋症の原因となること、およびそれぞれの機能変化を明らかにした。また、種々の不整脈患者についてチャネル遺伝子群の体系的な変異ないし多型の検索を行った結果、患者集団に特徴的なHCN4、KCNQ1、KCNH2、SCN5AあるいはRYR2遺伝子変異を発見し、それぞれの機能変化を解明した。3)難治性動脈炎の解析:高安動脈炎との強い関連を示すIkBL多型は転写活性が低かった。また、Y2H法を用いてIkBLに結合するタンパク遺伝子の同定を進めた結果、数種のタンパクがIkBLに結合することが判明した。そのうちの一つはサイトカインや細胞外マトリックスなどの発現制御に関わることが知られている転写遺伝子であったが、pull-down法を用いてIkBLとの結合性を確認した。そこで当該遺伝子の近傍(約50kb上流)のマイクロサテライトを解析したところ、その多型が高安動脈炎と有意に関連した。このことは、IkBLおよびIkBL結合タンパクのいずれもが高安病の発症に関わることを示唆する。
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