研究概要 |
複数の患者サンプルと複数の正常対照の間での遺伝子発現の様式を測定して『疾患と遺伝子の間の関係』および『遺伝子と遺伝子の関係』を検出する為にiAFLP法を用い遺伝子発現定量を行っている。乾癬および60例について、患部および正常皮膚での発現が確認された3,000遺伝子についての測定を終えた。乳がん60例については病理標本からのRNAを用いて、鋳型の作成を終了した。比較データとしてボディーマップ登録のある全遺伝子について30の基本臓器組織での発現様式を測定を終え、またRefSeqから4,000遺伝子をこれに加えた。これらを、SantaCruz_annotationを用いてgolden path上にマップすると32,000のannnotateされている最終エキソンのうち17,710に相当する。従ってマップブラウザーでマーカ遺伝子やサイトバンド情報を絶対位置(染色体:塩基番号)に変換すれば、簡単に関心領域上の遺伝子の発現パタンを与えることが既に可能である。 出来上がる膨大な発現データから医学的に重要な発見の糸口をつかむためには、知識を計算する仕組みが必要である。このために自由な語彙での医学知識表現のうらにある専門知識中での用語関係(癌と増殖、皮膚と上皮、肝臓と胆管、高血圧とアドレナリンなど)を正しく計測した用語関係空間を作成し、それを任意の医学知識表現間の距離の測定に用いるシステムを開発している。これまでに細胞生物学から内科学まで21冊3万ページを超える最新教科書から索引データを打ち込みし、6万種類の医学用語のページ出現パターンを測定した。ページ共起パタンを画面上で示すインターフェイスの開発を終え、直感的なシステムの能力評価を行い、現在は用語空間を数値的に表現するための計算法を開発中である。
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