研究概要 |
1.遺伝子発現解析 1)乾癬正常、乾癬、類似疾患60例の皮膚についてRefSeq遺伝子8,377を追加(252,260データポイント)。解析中の乾癬関連遺伝子のうち、上昇遺伝子の一つはトランスグルタミナーゼと相同性がみられ、組替え体で同活性を確認。C末は角化エンベロープ由来部分アミノ酸配列報告と一致、エンベロープ内トランスグルタミナーゼとして解析を終了。第2の上昇遺伝子はPhopholipaseA2類似配列を持ち組替体で同活性を確認、炎症の展開への関与検討目的でTGマウスを作成中。下降遺伝子は昨年10月報告の中性脂肪合成の最終ステップの酵素と一致。正常皮膚では皮脂腺に限局しており、乾癬での皮脂腺の萎縮の原因または結果と考えられていた事と符合。(大垣市民病院、田辺製薬と共同) 2)乳がん正常、乳がん合わせて69例について7,481遺伝子の発現を測定(51万データポイント)。予後データと合わせ現在解析中。(大阪大学第二外科と共同) 3)食道がんCGHにてゲノム変化解析済み食道がん30株での既知遺伝子3,161の発現を定量での終了。(医科歯科大 稲沢研と共同) 2.データ自動解釈(知識計算) 専門用語を構造化する方法(BOB)を基に、全ての既知遺伝子機能をマップする方法を開発。マップ位置を利用し、発現プロファイル由来の遺伝子クラスター中から「意味のあるクラスター」を自動的に検出、意味の言語表現を返す世界初の全自動データ解釈システムを完成。文献由来の発現クラスターの自動解釈実験で、著者らのクラスタ検出及び命名によく一致。また大腸菌ゲノム上の遺伝子リストから、オペロンの多くを機能的クラスタとして検出可能。
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