研究概要 |
1,既知の高血圧・動脈硬化関連候補遺伝子の解析 既知の候補遺伝子に関して、ET2と起立性の血圧変化との相関、高血圧に関してGNAS1と喫煙との相互作用が示唆されたと共に、高血圧、肥満、糖尿病に関してNOS3と中性脂肪との相互作用、高血圧、肥満、糖尿病に関してADRB2と中性脂肪との相互作用は統計学的に厳しい補正を行った後も非常に有意な結果が得られ、さらに2つの大規模集団において同じ結果を確認することによって、統計学的にほぼ確実な証明がなされた。 2,未知の高血圧・動脈硬化関連候補遺伝子の解析 一方、未知の高血圧・動脈硬化関連候補遺伝子を同定するために選別した血圧の高い群と低い群、各々150人を対象にしたゲノムワイドスキャニングを約1300のマイクロサテライトマーカーによって行っている。2000年度にはスクリーニングとして、約600のマーカーにつき、P<0.05を有意基準として23の陽性候補マーカーを選定したが、2001年度には交絡因子との相互作用の解析を取り入れたことによって、P<10^<-6>という非常に厳しい基準を満たす約20のマーカーを選別することができた。 3,今後の課題 候補遺伝子のプロモーター、調節領域の多型、アミノ酸置換を伴うコード領域の多型、エキソン-イントロン接合部の多型を用いて、遺伝子に基づくゲノムワイドスキャニングを行うために、SNPsの情報公開を待つ、あるいは、独自にSNPsの日本人における対立遺伝子頻度を決定する必要がある。
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