研究概要 |
1)罹患同胞対解析:24施設からなる「日本精神分裂病罹患同胞対解析グループ」では342名からなる家系数138のサンプルを収集している。これを7解析施設で手分けして、CHLC/Weber Human Screening Set Verの387個のマイクロサテライトマーカーを用いてゲノムワイドスキャンニングを行っている。本施設では4,8,13,21番染色体の57マーカーを担当しゲノタイピングを終了した。全体では染色体15本についてゲノタイピングがほぼ終了したところである。まだ予備的な段階であるが2q,4q,5g,6q,8p,22qにp<0.05で連鎖がみられる領域がある。今後一次スクリーニングを完了し、さらに高密度なマーカーでのゲノタイピングを進める予定である。 2)候補遺伝子を用いたケースコントロール解析:ドーパミンD4受容体遺伝子のプロモータ領域につき見いだした10個の多型中、5つの多型につき解析を行ったが相関は見られなかった。ただしnegative regulator領域内の1塩基置換がパーソナリティを形成するReward Dependenceと相関していた。またグルタミン酸受容体各サブタイプにつき体系的に解析を行っている。メタポトロピック受容体2型遺伝子をクローン化後全塩基配列決定および多型検索を行った。その結果12個の多型を認めた。各多型につき相関解析を行ったところ、6個については精神分裂病群での頻度が高かったが、統計的な有意差は認められなかった。 3)モデル動物を用いた解析:メタンフェタミン慢性投与により生じる逆耐性現象は精神分裂病の発症や再発のモデルと考えられている。Differential displayを用いて後期応答遺伝子群の同定を試みており、大脳皮質mRNAからamphiphysin I遺伝子を単離した。
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