研究概要 |
<精神分裂病(統合失調症)関連遺伝子群の解明について> (1)罹患同胞対解析:全染色体の1次スキャンニングが終了し5q33.1,9q21.1-q21.2,9q21.31,14q23.1,17q12,20q11.2においてLOD値1.0以上の領域が見いだされた。 (2)関連解析:GRM3の関連解析で有意差が認められたSNP4周辺領域の連鎖不平衡マッピングを行い、SNP4を含むほぼ40kbの領域で連鎖不平衡が維持されていることを明らかにした。グルタミン酸受容体遺伝子群のなかでカイネイト型GRIK1,GRIK2,アンパ型GRIA3,GRIA4,NMDA型GRIN2D、代謝型GRM4の全領域にわたり、約50kbごとにアレル頻度10%以上のSNPを選択し関連解析を行った。GRIA3,GRIA4,GRIN2D, GRM4についてハプロタイプ頻度において有意差が認められた。 <結核発症に関連する宿主遺伝要因の解明について> 1)結核の罹患同胞対解析:全国の結核診療施設を対象とした結核同胞例に関するアンケート調査で42家系の存在を確認し、これまでに4施設から8家系21検体(家系内対照4検体)を集積した。 2)BCG菌その他の抗酸菌による重症/反復感染症症例の解析:BCG骨髄炎症例を含む抗酸菌易感染例13例(新規のBCG骨髄炎症例4例を含む)についてIFN-γレセプター1,2遺伝子(IFNGR1,2)の解析を行ったが、特に異常は認められなかった。さらに、これまでに集積したBCG骨髄炎症例の中で、昨年度に報告したpartial dominant IFN-γR1 deficiencyを認めた6例中の2例とIFNGR1,2などのIFN-γ経路の遺伝子異常が認められなかった2例について、BCG刺激単核球を用いたサイトカイン240種のDNAマイクロアレイ解析を行ったが、発現が対照と有意に異なる遺伝子は見出せなかった。
|