研究課題/領域番号 |
12204011
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
前田 忠計 北里大学, 理学部, 教授 (90265728)
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研究分担者 |
大石 正道 北里大学, 理学部, 講師 (40233027)
馬場 志郎 北里大学, 医学部, 教授 (00051889)
藤田 芳邦 北里大学, 医学部, 助教授 (50133286)
古舘 専一 北里大学, 医学部, 助教授 (80095512)
松崎 尹雄 三菱化学科学技術センター, フェロー
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キーワード | 発現プロテオミクス / 機能プロテオミクス / 抗体基盤のプロテオミクス / 疾患ペプチドミクス / 酸化ストレス / 活性酸素種 / 酸化傷害タンパク質の蓄積 / ユビキチン化 |
研究概要 |
糖尿病プロテオーム解析には、(1)「タンパク質の網羅的同定と含有量決定(発現プロテオーム解析)」だけでは不十分である。(2)「(正常&病的)翻訳後修飾によるタンパク質の機能状態変化の網羅的解析(機能プロテオーム解析)」と、(3)「診断治療のターゲットタンパク質群を発見するための多変量解析(バイオインフォマティクス)」が必要である。 項目(2)を重点課題とし、電気泳動法を使って酸化傷害タンパク質を検出するための(1)ビオチンヒドラジド、(2)蛍光ヒドラジド、質量分析法を使って酸化傷害タンパク質を検出するための(3)TOP(Tags for Oxidized Proteins)の3種類のプローブを開発した。 さらに多数のプローブを短期間に作成するため、既存のランダム免疫法、現有のプロテオーム解析技術、新規開発の抗体スクリーニング法を組み合わせた「抗体を基盤としたプロテオミクス」方法論を確立した。平成16年度には約500のモノクローナル抗体を獲得し、その中から疾患診断に有用な抗体の絞り込みを進めている。 複数のタンパク質翻訳後修飾を量子ドットにより同時に検出する方法を開発した。活性酸素種により酸化されたタンパク質は、従来ユビキチン・プロテアソーム系で速やかに分解されるものと信じられてきたが、酸化されていてもユビキチン化されていないタンパク質の蓄積が明らかとなった。 疾患関連ペプチドーム解析法を開発した。ペプチドは分子量の小ささゆえに、従来のプロテオーム解析法では十分に解析できない。我々はペプチドを網羅的かつ定量的に解析できる二段階抽出法を確立した。この方法を使い、糖尿病モデルマウス(db/db)賢皮質に糖尿病特異的に増減する2種類のペプチドを検出し、アミノ酸配列解析により糖尿病関連ペプチドの同定に成功した。糖尿病性腎症の新規疾患マーカー探索に有効な手法と考える。
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