研究概要 |
1.全cDNA配列のPHRAPによるアセンブルを行い、6,718の独立遺伝子に由来する非重複配列11,324を得た。これはされている細胞性粘菌遺伝子の約60%に相当する。また、新奇転写因子遺伝子の遺伝子破壊株作製を行った。 2.多細胞体を物理的に分散し、その後再集合させる脱分化過程のDNAマイクロアレイ法による,解析により、脱分化特異的遺伝子としてヒストンリン酸化酵素遺伝子を含む27種を同定した。また、ヒストンリン酸化酵素を不活化することによって再発生が遅延すること等を明らかにした。 3.予定柄細胞特異的遺伝子104種の部域特異性をin situハイブリダイゼーション法(ISH)で解析し、空間的遺伝子発現データベース"ATLAS"を構築した。 4.転写因子遺伝子の内、C026破壊株において発生後期の形態形成が異常になること、細胞運動制御に関する遺伝子の発現が変化することを示した。また、転写因子を(1)Psp(予定胞子)領域で発現するもの、(2)最初全体で発現し、PstA(予定柄細胞A)領域に限定されるもの、(3)最初全体で発現し、その後PstB(予定柄細胞B)領域に限定されるもの、(4)PstO(予定柄細胞B)領域で発現するものの4グループに分類した。 5.一般公開されている2,5,6番染色体配列にマップされる2,106cDNAゴンティグのうち、完全長クローンを含むもの563について、転写開始点からの下流100塩基、上流2,000塩基の配列を取得してデータベース化した。また、シス因子の候補となる発現グループに特徴的な配列を抽出するプログラムを作成した。
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