研究課題/領域番号 |
12206001
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
漆原 秀子 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (00150087)
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研究分担者 |
田仲 可昌 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (80091908)
森尾 貴広 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助手 (10292509)
前田 ミネ子 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70029700)
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キーワード | 細胞性粘菌 / EST解析 / 遺伝子発現 / 遺伝子ネットワーク / 脱分化 / 転写制御 / 上流配列 / シス因子 |
研究概要 |
多細胞体制をとる最も単純な生物の一つとして知られている細胞性粘菌を発生のモデル生物として使用し、細胞分化を制御する遺伝子ネットワークの解明をめざして研究を行った。そのために、転写因子を中心に遺伝子破壊株を取得し、下流遺伝子群のリスト化と遺伝子間相互作用を解析した。また、独立遺伝子セットを整備して上流配列をデータベース化するとともに遺伝子を空間的・時間的発現パターンでクラスタリングし、計算機プログラミングによって転写制御に関わるシス因子候補の抽出を行った。成果の概要は以下のとおりである。 1.新規転写制御因子(候補)遺伝子のうち17の破壊株について表現型を解析し、異常を特定した。このうちのamvAおよびホメオボックス型転写因子Wariai遺伝子について、マイクロアレイ解析により下流遺伝子を同定した。 2.転写因子遺伝子の時系列発現パターンを親株と破壊株についてリアルタイムPCRによって取得し、S-systemを用いて遺伝子ネットワークの構築を試みた。 3.有性生殖期特異的な16遺伝子について破壊株を作製し、cAMPシグナリングに関わる新規で有性生殖期特異的な遺伝子間相互作用を明らかにした。 4.イン・シチュ・ハイブリダイゼーションにより、細胞性粘菌多細胞体内で新規の発現パターンを示す多数の遺伝子を同定し、遺伝子発現データベース(Atlas)を拡張した。また、それらの発現パターンに重要な形態形成因子であるDIFが関与することを明らかにした。 5.cDNAデータのアセンブル結果を詳細に検討して独立遺伝子セットの最終版を作成した。また、全ゲノム配列に対するマッピングを行い、上流配列を取得してデータベース化するとともに、発現特異性に相関するシス因子候補を抽出した。
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