研究分担者 |
田代 康介 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (00192170)
小西 貞則 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (40090550)
篠原 歩 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (00226151)
丸山 修 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (20282519)
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研究概要 |
1)マイクロアレイの作成では、配列決定が終了したモデル生物、クラミジア菌、ウエルシュ菌、アナベナ、黄色ブドウ球菌、細胞性粘菌、酵母等、現在、合計8種類のマイクロアレイを継続して作成中である。発現プロファイルの解析としては、酵母について、400個の遺伝子欠失変異株における発現プロファイルを用いて、階層的クラスタリングから特異的な発現パターンを示すtrehalose及びglycogen代謝関連遺伝子を抽出した。この遺伝子群を遺伝子発現ネットワークに重ね合わせるとRMS1を頂点とするサブネットワークに存在し、従来から言われていたMSN2/MSN4の制御に加えてRMS1による制御機構が明らかにされた。RMS1はSETドメインをもつコアヒストンのメチル化に関与しているので、trehalose及びglycogen代謝関連遺伝子はRMS1によるクロマチンレベルでの転写制御が行われている可能性が示唆された。 2)遺伝子発現プロファイルデータのノーマライゼーションでは、従来から言われていた主要な3つのバイアスに加えてスポットオーダーによるバイアスを見出し、その関与が蛍光色素のバイアスの50%程度の寄与があることを明らかにした。このバイアスを除く手法を開発し、実際の発現プロファイルのデータに適用し、プロファイルの正規化を行った。 3)遺伝子発現プロファイルを離散点で経時的に観測・測定された一組のデータと考え、このデータを滑らかな関数として捉え,この関数の集合を観測データと見なして,この中から有効に情報を抽出する手法について研究した.本年度は,動径基底関数展開によるデータの関数化と正則化法によるモデル推定に伴う平滑化パラメータの選択を,情報量規準に基づいて行う関数回帰モデリング手法を提案した.この開発した手法を経時的に測定されたイーストセル遺伝子発現データの分析に適用して,発現パターンを識別するモデルを構築した. 4)対象とする各生物種の全タンパク質配列上でのオリゴペプチドの頻度を要素とするベクターからの系統樹再構築問題に対して、従来膨大な計算時間に対して、少量のオリゴペプチドをランダム・サンプリングする手法を提案し従来の10%以下のオリゴペプチドで従来と同じクオリティーの系統樹がパソコン上での計算で得られることが分かった.
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