研究課題/領域番号 |
12206010
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
藤田 泰太郎 福山大学, 工学部, 教授 (40115506)
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研究分担者 |
田中 暉夫 東海大学, 海洋学部, 教授 (10236606)
定家 義人 埼玉大学, 理学部, 教授 (40000252)
吉田 健一 福山大学, 工学部, 講師 (20230732)
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キーワード | 枯草菌 / 転写制御 / ネットワーク / DNAマイクロアレイ / シグマ因子 / 2成分制御系 / HTH蛋白質 / レギュロン |
研究概要 |
枯草菌の転写制御ネットワークは、DNA結合蛋白質(シグマ因子、2成分制御系の応答制御因子およびHTH蛋白質)が支配するレギュロン発現の総和と考えられる。平成12年度は、枯草菌DNAチップの大量供給体制を整え、DNAマイクロアレイ技術を確立した。この技術により、枯草菌のグルコース抑制を受ける遺伝子を検索し、種々の炭素源での増殖時に特異的に発現する遺伝子のクラスタリングを行い、また20種類のDNA結合蛋白質の支配するレギュロンの構成遺伝子候補を抽出した。とくに、機能既知のみならず機能未知の2成分制御系の応答制御因子の支配するレギュロンの標的遺伝子の抽出にも極めて有効な方策を見出したことは、2成分制御系の網羅的な解析を可能にするもので注目される。これらの成果のうち、枯草菌のマイクロアレイ技術、グルコース抑制を受ける遺伝子の抽出とその抑制のCcpA依存性については、既に公表している[Nucleic Acids Res.29(3):683-692(2001)]。このような研究実績は、枯草菌のみならず細菌のDNAマイクロアレイ解析を国際的に先導するものであるといえる。さらに、機能未知DNA結合制御蛋白質の支配するレギュロンの機能解明に取り組み次のような成果を挙げた。シグマ因子の生体外機能解析実験のために、RNAポリメラーゼホロ酵素のβ'にT7-Tagをつけて迅速精製し、シグマ因子過剰発現株からシグマ因子蛋白を回収する方法を開発した。また、SigYは栄養源飢餓に、SigZは低温での増殖に関与している知見を得た。尚、DNA結合蛋白質に関する文献情報の収集を終了し、転写制御ネットワーク解明のための大量のマイクロアレイデータの生物情報学的処理、DNA結合蛋白質の認識するシス配列の解析およびリガンドの同定等に向けての研究体制を整えつつある。
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