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2000 年度 実績報告書

大腸菌の全リポ蛋白質遺伝子の網羅的機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 12206024
研究機関東京大学

研究代表者

松山 伸一  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (50183108)

研究分担者 徳田 元  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (40125943)
キーワード大腸菌 / リポ蛋白質 / 局在化 / 欠失変異株 / クローニング / 脂質修飾 / 必須遺伝子
研究概要

細菌の細胞表層には脂質修飾されたリポ蛋白質が存在しており、形態形成、細胞分裂、物質輸送、情報伝達など重要な細胞機能に関与している。リポ蛋白質遺伝子はゲノム全体の2〜8%を占める主要遺伝子群を構成しており、大腸菌では102種のリポ蛋白質遺伝子の存在が示唆されている。しかし、機能解析が行われているリポ蛋白質は20種にも満たず、多くは未だ解析されていなかった。大腸菌の全リポ蛋白質遺伝子の網羅的機能解析を通して、個々のリポ蛋白質の機能とそれらが形成する細胞表層における機能的ネットワークを明らかにするために、本研究課題の目標は(1)推定される全リポ蛋白質遺伝子のクローニングと遺伝子産物がリポ蛋白質であることの確認、(2)リポ蛋白質の局在場所の決定、(3)全リポ蛋白質遺伝子欠失変異株の構築に設定した。。
これらの目標はほぼ達成された。(1)推定される全リポ蛋白質遺伝子のクローニングはすべて完了し、脂肪酸標識やグロボマイシンによるシグナルペプチド切断阻害から90種のリボ蛋白質をすでに同定した。リボ蛋白質であることが同定できていない遺伝子は蛋白質の発現と安定性を高める工夫が必要である。(2)リボ蛋白質であることが確認できた90種の局在場所はショ糖密度勾配遠心やスフェロプラストからのリポ蛋白質の遊離によって決定した。(3)102種の推定リポ蛋白質遺伝子の欠失変異株はすべて構築した。この結果、3つの必須リポ蛋白質遺伝子を見いだした。また、生育、形態、薬剤感受性などの基本的な表現型の解析を行ない、種々の表現型を示す変異株を見いだした。これらの欠失変異株ライブラリーはリポ蛋白質の機能を解析する上で大変貴重なものである。
今後はさらに詳細な表現型の解析、paralog二重変異株の解析、さらにはDNAチップを用いた変異株における遺伝子発現パターンの解析などを通してリポ蛋白質の機能を明らかにするとともに、相互作用解析の結果とあわせてリポ蛋白質が形成する細胞表層における機能的ネットワークを明らかにする。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 薬師寿治: "グラム陰性細菌におけるリポ蛋白質の生合成機構"日本細菌学会雑誌. 55・3. 517-526 (2000)

  • [文献書誌] Hisaharu Yakushi: "A new ABC transporter mediating the detachment of lipid-modified proteins from membranes"Nature Cell Biology. 2・4. 212-218 (2000)

  • [文献書誌] Shin-ichi Matsuyama: "ATPase and GTPase activities copurifying with GTP-binding proteins in Escherichia coli"Journal of Molecular Microbiology and Biotechnology. 2・1. 261-263 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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