研究課題/領域番号 |
12208002
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中井 謙太 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (60217643)
|
研究分担者 |
丸山 修 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (20282519)
宮野 悟 東京大学, 医科学研究所, 教授 (50128104)
|
キーワード | ゲノム配列解析 / RNAスプライシング / 転写制御領域 / 転写開始点 / モチーフ |
研究概要 |
(1)RNAスプライシングでいかにして長大なイントロンが正確に認識されるのかを説明するIntrasplicingという仮説を提唱し、これを計算機実験によって検証を試みた。Intrasplicingとは、短いイントロンの切除を複数回繰り返すことによって、結果的に長大なイントロンを切断するという仮説である。 (2)原核生物転写制御領域を近縁種間で網羅的に比較することにより、種々の生物について、保存領域を抽出し、さらにそれらが微生物界でどこまで存在するかを現在網羅的に探素中であり、遠くない将来にデータベース化して公開する準備を進めている。また、異なる遺伝子間に同時に存在する保存領域を探索することにより、共制御遣伝子群(レギュロン)を配列から予測する試みも行っている。 (3)菅野研究室(東大医科研)との共同研究で、ヒトをはじめとする種々の生物種において、各遺伝子の転写開始点を詳細に解析した。その結果、転写開始点は非常にきっちり決められているもの、かなりゆらぎのあるもの、エキソン構造まで変わる選択的プロモーターに依存するものの3種がだいたい同じ程度の量比で存在することがわかった(投稿準備中)。 (4)その他、共通モチーフ抽出支援ツールMelinaの改良、ゲノムデータに基づく仮説モデル間の類似度に基づく構造的関係性の解析、文字列と数値のペアからなるデータを与えられた時に、「文字列中にパターンがある/ない」と「数値」との間の相関が最も高いパターンを求める、という問題の効率的なアルゴリズムの開発などを行った。
|