研究課題/領域番号 |
12210001
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
津田 一郎 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10207384)
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研究分担者 |
池上 高志 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (10211715)
松本 健司 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80183953)
行木 孝夫 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40271712)
KAMPIS George 北陸先端科学技術大学院大学, 客員助教授
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キーワード | 思考・推論の力学理論 / サルの思考実験課題 / エピソード記憶形成 / カントール集合 / カオス的遍歴 / 時系列の階層記憶 / カテゴリー形成 / 思考・推論の神経相関 |
研究概要 |
思考と推論過程とニューロダイナミックスの関係に関するカオス・フラクタルを基礎とする複雑系理論モデルの可能なもののひとつを作った。思考とダイナミック記憶の分離・非分離は非常に難しいが、不可能ではないことは現行のデジタルコンピューターを見れば明らかである。ただし、脳がそのように分離しているという保証はないが、われわれの力学系モデル研究は次の点を明らかにした。エピソード記憶形成は思考の原型であり、その様態を研究することで,思考・推論過程の神経機能が解明される。われわれは、海馬CA3,CA1の結合モデルを作ることによって、CA3のカオス的遍歴が生成する事象の連鎖の想起における時系列の履歴がCA1のカントール集合の階層性にコードされることを示した。CA1でカテゴリーが形成される。CA1のLTPはカテゴリー同一性に関する学習である。ただし、このことが意味を持ってデコードされるためには扁桃体からの入力が必要であろうことが想像される。これが思考の生成につながっていくと考えられる。とくに推論はこのようなカテゴリー形成が基盤となって行われると考えられる。そこで、思考の動物実験として、カテゴリー弁別の学習を行わせることが重要な問題となると結論付けた。われわれは思考の神経相関を求めたいので、より簡単なタスクを考案した。異なる種類のパターン群を複数用意し、特定の二群の間の連想をマカクサルに学習させてそれらの連想が合成されるかどうかをまず確認した。課題実行中のマカクサルの行動と前頭連合野からの脳内記録を同時に計測し、報酬に駆動された複数回の連想の合成と逆向きの連想が起こっていることを示唆する神経活動を得た。
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