研究課題/領域番号 |
12210005
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井原 康夫 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60114386)
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研究分担者 |
山崎 恒夫 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80200658)
森島 真帆 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50204722)
小山 文隆 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (40194641)
岡澤 均 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50261996)
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キーワード | アルツハイマー病 / タウ蛋白 / 神経原線維変化 |
研究概要 |
アルツハイマー病の病理学的特徴は神経原線維変化と老人斑の出現である。このうち神経原線維変化は異常にリン酸化したタウ蛋白が脳細胞内に凝集して線維構造を形成したものであり、その出現頻度は痴呆の程度や神経細胞の脱落の程度と良く相関する。このことはタウ蛋白の異常がアルツハイマー病の病態形成に大きな役割を果たしていることを示唆している。そこで我々はタウ蛋白の異常リン酸化の意味と神経細胞死の発生メカニズムを解明する目的で、以下のような実験を行なった。(1)タウ遺伝子の異常によって病変が形成されるFTDP-17にみられるタウ遺伝子異常を組み込んだ培養細胞をもちい、タウ蛋白のリン酸化条件と細胞分裂時にみられるリン酸化平衡状態が類似していることを見出した。(2)FTDP-17の患者脳の解析を行い、野生型タウと変異タウとの神経原線維変化形成への関与を明らかとした。(3)変異タウを発現する動物モデル(マウス)を開発(一部は開発途中)した。(4)神経原線維変化を生じることが知られるNiemann-Pick type C病では、老人斑アミロイドの主要構成成分であるアミロイドβ蛋白の細胞内異常凝集が生じていることを、培養細胞・モデル動物・患者脳を用いて明らかとした。(5)微小官の重合促進・安定化能以外の新しいタウ蛋白の機能を検索する目的で、yeast two-hybrid法でタウ蛋白に結合する蛋白を複数個同定した。(6)タウ蛋白の核内への移行の可能性を考えて、培養細胞を中心に核内のタウを検索した。
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