研究課題/領域番号 |
12210023
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小池 達郎 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80128131)
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研究分担者 |
田中 秀逸 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90202431)
二宮 孝文 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80156140)
刀祢 重信 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (70211399)
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キーワード | 神経突起 / 変性 / カスパーゼ / アポトーシス / 顆粒細胞 / Ca^<2+>チャネル / レドックス制御 / 脱分極 |
研究概要 |
(1)コルヒチンにより誘導される神経突起傷害におけるTLCK感受性セリンプロテアーゼの関与 神経突起の変性を誘発するコルヒチンで神経細胞を処理するとカスパーゼ-3は活性化するものの、カスパーゼの一般的阻害剤(z-VAD)は細胞死を完全には抑制しなかった。これに対して、TLCKはDNAの断片化を抑制し、細胞死を顕著に抑制した。この結果はTLCK感受性セリンプロテアーゼがカスパーゼ依存及び非依存経路に関与することを示唆している。 (2)神経細胞死における初期応答遺伝子の同定と解析 小脳顆粒細胞は脱分極下(30mMK^+)で生存促進され、通常のK^+濃度(5.4mM K^+)に戻すとアポトーシスを起こす。このアポトーシスに伴い発現増加する遺伝子をDifferential Display法により探索した。その中で、VitaminD3 Up-Regulated Protein 1(VDUP1)は、最も顕著な発現増加を示した。VDUP1は、レドックス、転写制御を行うThioredoxinと結合しその働きを抑制することから、アポトーシスへの関与が示唆された。VDUP1 mRNAの発現がK^+濃度の減少後2時間で誘導されることから、L型電位依存性Ca^<2+>チャネルを介したCa^<2+>流入の効果について解析した。VDUP1 mRNAの発現はこのチャネルのアンタゴニストであるNimodipine,Nifedipineにより誘導され、タンパク質合成阻害剤の影響を受けなかった。またK^+濃度変化に応答して繰り返し誘導することが可能なことから、Ca^<2+>によるシグナルが直接的に発現を制御している可能性が示唆された。
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