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2000 年度 実績報告書

小脳皮質の生後発達における分子神経生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 12210152
研究機関理化学研究所

研究代表者

古市 貞一  理化学研究所, 分子神経形成研究チーム, チームリーダー(研究職) (50219094)

研究分担者 鏡 良弘  理化学研究所, 分子神経形成研究チーム, 研究員 (70321742)
高野 りや  理化学研究所, 分子神経形成研究チーム, 研究員 (80332328)
白石 陽子  理化学研究所, 分子神経形成研究チーム, 基礎科学特別研究員 (50311345)
中村 浩  理化学研究所, 分子神経形成研究チーム, 研究員 (70321792)
キーワード顆粒細胞 / 小脳 / 神経回路形成 / シナプス形成 / 小脳皮質 / 遺伝子発現 / 後シナプス / プルキンエ細胞
研究概要

小脳皮質のシナプス形成や機能に重要な縦割り構造の形成メカニズムについてはよくわかっていない。本研究では、1)シナプス後肥厚部において複数のシグナル伝達分子(mGluR1、IP_3R1、drebrin、Cdc42など)をリンクするアダプター蛋白質cupidinの小脳発達期における発現と後シナプスでの役割の解析、2)傍矢状方向に沿って分布する発達中のプルキンエ細胞亜集団に特異的なlacZ遺伝子の帯状発現の解析、からこれらの分子メカニズムの解明に迫ることを目的とした。
小脳顆粒層でのcupidinの局在は生後7日をピークにその後の発達に伴って減少した。初代培養系のGCにおいても、培養7日目では抗cupidin抗体の免疫染色反応が神経突起上に斑点状に観察されたが、21日目ではかなり減少した。培養7日目のGCをグルタミン酸(20μM Glu)で刺激すると、cupidin陽性斑点はNMDARを介したCa^<2+>influxに依存的に1分以内に消失した。これらのことから、cupidinは生後発達中のGCの後シナプスに局在して、アクチン骨格系と相互作用することで後シナプス形成に関与する。また、シナプス結合の完成とともにシナプス伝達依存的にその局在が変動する、ことが示唆された。
IP_3R1 promoter-lacZトランスジェニックマウス(1NM13系統)の小脳皮質では、矢状方向に分布する特定のPC亜集団でのみlacZ遺伝子が帯状に発現する。帯状分布が良く知られているzebrin IIと比較したところ、1NM13のlacZ+帯域は一部はzebrin II+帯域と一致したが、全体的に幅広で異なる帯域が多いことがわかった。El4.5小脳の冠状断切片では移動中と移動後のPCがX-gal弱染色され、El5.5ではlacZ+とlacZ-のPC亜集団がすでに存在することがわかった。以上のことから、胎生期において、脳室面におけるPC前駆細胞の分裂前後(あるいは移動開始直後)にはすでにPCはlacZ+とlacZ-の亜集団に区分化されていて、このような遺伝子発現が異なるPC亜集団が複数存在することが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 白石陽子: "小脳神経回路の生後発達期に発現変動する遺伝子群"蛋白質核酸酵素. 7 (2000)

  • [文献書誌] 古市貞一: "カルシウムチャネル"Clinical Neuroscience. 7 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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