• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

C型肝炎ウイルスによる肝炎、肝発がん発症の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 12212001
研究種目

特定領域研究(C)

研究機関京都大学

研究代表者

下遠野 邦忠  京都大学, ウイルス研究所, 教授 (10000259)

研究分担者 小池 和彦  東京大学, 医学研究科, 助教授 (80240703)
キーワードC型肝炎ウイルス / トランスジェニックマウス / 脂肪代謝 / コアタンパク質 / NF-kB / アポトーシス / 小胞体膜
研究概要

C型肝炎ウイルス(HCV)たんぱく質による細胞の増殖制御を解析し、コアたんぱく質が転写活性化因子NF-kBを活性化することによりアポトーシスを抑制することを見い出した。コアたんぱく質のNF-kB活性化の機構を解析し、コアたんぱく質が小胞体膜上に会合する時に活性が最大になること、コアたんぱく質により転写因子、elk1が活性化されることを明らかにした。また、コアたんぱく質を産生させた細胞においてはインターフェロンで誘導される遺伝子のうち2-5'オリゴアデニル酸合成酵素遺伝子が活性化されることを見い出した。
コアたんぱく質を産生するトランスジェニックマウスにおける肝脂肪化に引き続き発生する肝がんの機構を解析し、以下のことを明らかにした。(1)肝脂肪化は、肝細胞内ミトコンドリアにおけるベータ酸化の障害とVLDLの肝細胞からの分泌の異常とによりもたらされる。(2)マウス肝に蓄積する脂肪成分にC18単不飽和脂肪酸(C18:1)からなるトリグリセリドが有意に増加していた。C18:1脂肪酸はヒト慢性C型肝炎患者の肝においても、B型肝炎患者肝や単純肥満による脂肪肝に比して、有意に増加していた。(3)マウス肝では、組織学的な炎症像の不在にもかかわらず活性酸素の増加を認めた。また、活酸素の発生において、コア蛋白とアルコールとは共同作用をもつ。これらの現象はヒトにおける肝発がんを説明するものとして重要と考えられる。(4)別途に作製したコアたんぱく質を発現するトランスジェニックマウス肝においてはFasによるアポトーシスに対する感受性が高くなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Marusawa H, et al.: "Related Articles Functional impairment of p73 and p51, the p53-related proteins, by the humanLatent hepatitis B virus infection in healthy individuals with antibodies to"Hepatology. 31. 488-495 (2000)

  • [文献書誌] Tanaka T.et al.: "Hapatitis C virus NS5B RNA replicase specifically binds ribosomes,"Microbiol. & Immunol.. 44. 543-550 (2000)

  • [文献書誌] Fukuda K., et al.: "Isolation and characterization of RNA aptamers specific for the hepatitis C virus nonstructural protein 3 protease."Eur J Biochem. 267. 3685-3694 (2000)

  • [文献書誌] Fukuda K. et al.: "Hepatitis C virus core protein enhances the activation of the transcription factor, elkl, in response to mitogenic stimuli"Hepatology. 33. 159-165 (2001)

  • [文献書誌] Shintani Y., et al.: "Significance of hepatitis B virus DNA detected in hepatocellular carcinoma in patients with hepatiits C."Cancer. 88. 2478-6 (2000)

  • [文献書誌] Yotsuyanagi H, et al.: "Virological analysis of "non-B, non-C" hepatocellular carcinoma in Japan: frequent involvement of hepatitis B virus."J Infect Dis.. 18. 1920-1928 (2000)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi