研究課題/領域番号 |
12212002
|
研究機関 | 国立国際医療センター(研究所) |
研究代表者 |
笹月 健彦 国立国際医療センター, 研究所, 所長 (50014121)
|
研究分担者 |
猪子 英俊 東海大学, 医学部, 教授 (10101932)
佐々木 泰史 札幌医科大学, 医学部, 助手 (70322328)
有村 佳昭 札幌医科大学, 医学部, 助手 (80305218)
山本 健 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (60274528)
横田 淳 国立がんセンター, 研究所, 部長 (10191503)
|
キーワード | 胃がん / 全ゲノムスキャン / 罹患同胞対 / 連鎖解析 / 相関解析 / マイクロサテライトマーカー / SNPs / 多因子疾患 |
研究概要 |
胃がんは、罹患率・死亡率の減少を認めるものの、未だ死亡の主要原因疾患である。胃がん発症には複数の遺伝要因と複数の環境要因が関与するが、疫学調査を行ってどのような環境要因が胃がん発症のリスクとなるかを綿密に解析する一方で、胃がん発症の遺伝要因を同定し、発症の分子メカニズムを解明することは、新しい検査法・診療法を開発するための基盤を築くことに繋がり有意義である。本研究では、胃がんの発症感受性を規定する遺伝要因の解明を目的として、胃がん試料収集委員会にて収集された118組の胃がん発症同胞対を対象とした罹患同胞対法による全ゲノムスキャンにより、21番染色体に候補領域を同定した。さらに、この領域を対象にマイクロサテライトマーカーおよびSNPを用いた相関解析を実施し、胃がんと有意な相関を示す一群のSNPsをPRED27遺伝子領域内に同定した。胃がんとPRED27との相関はハプロタイプ解析によりP値が0.0015を示し、エクソン領域の塩基配列解析の結果、これまでにデータベース上報告されていないcSNPを同定した。このcSNPでは、アレル頻度の比較においてP値0.0054、遺伝子型の比較においてP値0.0005が示された。以上より、統計遺伝学的に胃がんとPRED27との強い相関が示された。PRED27の発現は未知であり、今後、機能解析が予定されている。また、セカンドセットの全ゲノムスキャンを行うための胃がん発症同胞対の収集を継続し、新に32組の同胞対が収集された。さらに、これまで収集された約400例の孤発症例を用いた全ゲノム相関解析および候補遺伝子を対象とした相関解析を開始した。
|