研究課題/領域番号 |
12213059
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
高田 穣 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30281728)
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研究分担者 |
木浦 勝行 岡山大学, 医学部, 講師 (10243502)
山本 和彦 川崎医科大学, 医学部, 助手 (40333223)
松下 暢子 川崎医科大学, 医学部, 助手 (30333222)
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キーワード | 相同組み換え / ファンコニ貧血 / ジーンターゲティング / DNA修復 / 複製後修復 |
研究概要 |
1.従来解析してきた相同組み換え(HR)機構とファンコニ貧血(FA)の原因遺伝子の機能の関連について、ニワトリB細胞株DT40からジーンターゲティングによってFANCG、FANCD2、FANCCの欠損細胞を作製し、解析中である。これらの欠損細胞はいずれも、クロスリンク薬剤感受性などヒトのFA患者細胞と類似した表現型を示し、FAのモデルと考えて適切と思われた。ジーンターゲティング効率をいくつかの遺伝子座へのターゲティングベクターを用いて解析すると、FANCGでは数10%程度の軽度の低下、FANCD2では90%以上のはっきりした低下が見られた。さらに、染色体にノックインした人工組み換え基質SCneoに制限酵素I-SceI発現によって二重鎖切断を誘導し、そのHRによる修復を測定したところ、FANCG欠損で9分の1、FANCD2欠損で約20分の1に低下していた。これらのデータは、FA遺伝子のHR修復における役割を明確に示したはじめてのものである。 2.さらにFANCGと他のDNA修復経路の関係を明らかにするため、Xrcc3(HR)、Rad18(translesion sysnthesis)、Ku70(non-homologous end joining)、SNM1A(interstrand cross link repair)などとダブル変異株を作製し解析した。シスプラチン感受性によれば、FANCGとXrcc3、FANCGとSNM1Aはエピスタシスを示し、Rad18とFANCGはadditiveな表現型となった。これらの結果は、少なくともFANCGのシスプラチン感受性はHRに依存していることを示している。 3.現在さらにFANCCとRad18、Xrcc3とのダブルノックアウトを作製し解析中である。
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