研究課題/領域番号 |
12213059
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
高田 穣 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30281728)
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研究分担者 |
松下 暢子 川崎医科大学, 医学部, 助手 (30333222)
北尾 洋之 川崎医科大学, 医学部, 助手 (30368617)
平野 世紀 川崎医科大学, 医学部, 助手 (20368616)
木浦 勝行 岡山大学, 大学院医歯薬総合研究科, 講師 (10243502)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2004
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キーワード | DNA修復 / 相同DNA組み換え / DT40細胞 / Rad51パラログ / ファンコニ貧血 / BLMヘリケース / 姉妹染色分体交換 |
研究概要 |
相同組み換え(HR)に関連するRad51パラログファミリー遺伝子、好発がん性遺伝病ファンコニ貧血(FA)の原因遺伝子群などについて、ニワトリB細胞株DT40においてノックアウト変異株を作製し解析した。 (1)Rad51パラログ5種類のすべての欠損細胞を作製し解析した。すべてほぼ同一のHR欠損表現型を示し、このファミリーは機能的な複合体を形成し、Rad51に対してアクセソリファクターとして機能するものと考えられた。 (2)Rad51ファミリーの一つXrcc3と、HRに関与するRad52との、コンディショナルダブルノックアウト細胞が合成致死を示すことを見いだし、両者がオーバーラップした役割を果たすことが推定された。 (3)FAの原因となるFANCGやFANCD2の欠損細胞を用いてFA経路がHRに関与することをはじめて明らかにした。FANCCがXrcc3とはエピスタシスだが、損傷乗り越え修復に関与するRad18とは相ロ的表現型を示すことを見出した。 (4)HR活性に依存すると考えられている姉妹染色分体交換(SCE)頻度は、FANCD2とFANCCの欠損細胞では明確に上昇していた。SCE上昇はBLMヘリケースとのダブルノックアウトによってエピスタシスとなり、さらにBLMフォーカス形成はFANCCやFANCD2の欠損細胞において低下し、BLMとFANCD2の免疫共沈を検出した。これらの結果はFA経路がクロスオーバーを伴わないHR修復過程に関与すること、BLMはFA経路の下流エフェクターであることを示している。 (5)FANCD2はDNAダメージ後、A/G/C/Lなどの上流FA蛋白によって形成されるコア複合体依存的に特定のリジン(ヒトD2蛋白では561番目)がモノユビキチン化される。D2蛋白をユビキチンやヒストンH2Bとの融合蛋白にして発現させるとクロマチン移行し、DNA修復において機能するが、それにはFANCC発現が必要であった。コア複合体がFANCD2のモノユビキチン化以外の局面でも機能することを見出した。
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