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2001 年度 実績報告書

Translesion synthesisの分子機構と発がん

研究課題

研究課題/領域番号 12213070
研究機関大阪大学

研究代表者

花岡 文雄  大阪大学, 細胞生体工学センター, 教授 (50012670)

研究分担者 横井 雅幸  大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (00322701)
益谷 央豪  大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (40241252)
キーワードDNA複製 / DNAポリメラーゼ / DNA修復 / 活性酸素 / 色素性乾皮症 / XPVポリメラーゼ
研究概要

研究代表者および研究分担者は、損傷乗り越え複製(translesion Syhthesis)機構全般を総合的に理解し、発がんおよび発がん防御における役割明らかにすることを目的として、以下に述べる研究を行った。
1)色素性乾皮症バリアント群原因遺伝子の産物であるXPVポリメラーゼの性質を詳細に調べた。その結果、このポリメラーゼが活性酸素による腫瘍なDNA損傷の一つであるチミングリコールの二つの光学異性体のうち、5R体を効率よく乗り越えること、またその際、損傷の反対側に正しい塩基であるアデニシを重合しやすいことが明らかになった。また別の酸化的DNA損傷であるシクロデオキシアデノシンについても調べたところ、XPVポリメラーゼはやはり、5R体を効率よく乗り越え、正しい塩基であるチミンを損傷の反対側に重合した。
2)XPVポリメラーゼを含むYファミリーDNAポリメラーゼに保存されているAからGまでの7つの領域のうち、FおよびG領域に点突然変異を導入し、ポリメラーゼ活性、損傷乗り越え活性、DNAとの結合能、ヌクレオチドとの親和性などを検討した。その結果、1例ではヌクレオチドとの親和性に顕著な低下が、また2例ではDNAとの結合能の低下が見い出された。
3)XPV遺伝子ノックアウトマウスを作成するため、タンパク質の翻訳開始コドンを含むエキソン2から8までをネオマイシン発現カセットと置換したターゲッティングベクターを構築した。このベクターをマウスES細胞に導入し、ネオマイシン耐性クローンを単離、相同組換え体であることを確認したクローンを用い、XPV遺伝子のヘテロ変異体を作出した。引き続きヘテロ変異体の交配によりホモ変異体の作出を試みている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ishikawa, T. et al.: "Mutagenic and non-mutagenic bypass of DNA lesions by Drosophila DNA polymerases dpol η and dpol c"J.Biol.Chem.. 276. 15155-15163 (2001)

  • [文献書誌] Levine, R.L. et al.: "Translesion DNA synthesis catalyzed by human pol η and pol k across 1,N6-athenodeoxyadenosine"J.Biol.Chem.. 276. 18717-18721 (2001)

  • [文献書誌] Matsuda, T. et al.: "Error rate and specificity of human and murine DNA polymerase η"J.Mol.Biol.. 312. 335-346 (2001)

  • [文献書誌] Boudsocq, F. et al.: "Sulfolobus solfataricus p2 DNA polymerase TV (Dpo4) : an archaeal DinB-like DNA polymerase with lesion-bypass properties akin to aukaryotic pol η"Nucleic Acids Res.. 29. 4607-4616 (2001)

  • [文献書誌] Kuraoka, I. et al.: "Oxygen frae-radical damage to DNA : translesion synthesis by DNA polymerase η and resistance to exonuclease action at cyclopurine deoxynucleaside residues"J.Biol.Chem.. 276. 49283-49288 (2001)

  • [文献書誌] Brougton, B.C. et al.: "Molecular analysis of mutations in DNA polymerase η in xevodarma pigmantosum-variant patients"Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 99. 815-820 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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