• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

DNA複製エラーに起因する自然突然変異の発生機構

研究課題

研究課題/領域番号 12213082
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

真木 寿治  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (20199649)

研究分担者 愿山 郁  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教務職員 (10346322)
キーワードミューテーター / DNA複製 / DNA修復 / ノックアウトマウス / DNA損傷 / DNAポリメラーゼ / 校正機能 / フレームシフト
研究概要

本年度当初の計画では、1)配列置換を抑制する新規の変異抑制系の分子機構の解析を進めること、2)酸素ラジカルに依存するホットスポット型塩基置換の起源を明らかにすることを目標としたが、これらに加え、3)自然DNA損傷が変異を誘発する過程の理解に不可欠であるDNA損傷によるDNA複製フォーク進行阻害とその回復過程の生化学的解析を開始することとし、以下の重要な成果が得られた。配列置換変異の抑制におけるDNAエキソヌクレアーゼI(ExoI)のどのドメインが関与するのかを明らかにする目的で、プラスミド上にクローン化したsbcB遺伝子を部位特異的変異導入により改変し、3'→5'エキソヌクレアーゼ活性を完全に失ったExoIを発現するプラスミドを作成した。予想外のことに、dnaE173Δsbc二重変異株の配列置換変異頻度は3'→5'エキソヌクレアーゼ活性欠損のExoIを発現しても強く抑制された。このことから、配列置換変異の抑制にはExoIのエキソヌクレアーゼ活性は必要なく、未知の機能が関与することが強く示唆された。ホットスポット型塩基置換の誘発に関わる酸素ラジカルの種類を明らかにする目的で、それぞれ異なる酸素ラジカル種の消去に関与する遺伝子の変異株を用いた解析を行った。その結果、ホットスポット型塩基置換の原因はハイドロキシラジカルによる未知のDNA損傷の発生であることが強く示唆された。DNA損傷による複製フォーク進行阻害の生化学的解析を行うために、大腸菌の複製開始領域oriCと複製終結配列terCの両方を持つプラスミドDNAの特定の部位に単一のDNA損傷を導入した鋳型DNAを用いた試験管内DNA複製系を確立した。この系を用いて、鋳型上の脱塩基損傷による複製フォークの進行阻害を詳細に解析した結果、ラギング鎖上の損傷は複製フォークの進行を妨げないのに対し、リーディング鎖上の損傷は複製フォークの進行を強く阻害することを初めて明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Yoshiyama, K.: "Spontaneous hotspot mutations resistant to mismatch correction in Escherichia coli Transcription-dependent mutagenesis involving template-switching mechanisms."J.Mol.Biol.. 327. 7-18 (2003)

  • [文献書誌] Yoshida, J.: "Positive and negative roles of homologous recombination in the maintenance of genome stability in Saccharomyces cerevisiae"Genetics. 164. 31-46 (2003)

  • [文献書誌] Higuchi, K.: "Fate of DNA replication fork encountering a single DNA lesion during oriC plasmid DNA replication in vitro."Genes to Cells. 8. 437-449 (2003)

  • [文献書誌] Tsubota, T.: "Double-stranded DNA binding properties of Saccharomyces cerevisiae DNA polymerase ε and of the Dpb3p-Dpb4p subassembly."Genes to Cells. 8. 837-888 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi