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2000 年度 実績報告書

細胞周期制御因子の発現量調節機構の解明とがん治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 12213097
研究種目

特定領域研究(C)

研究機関九州大学

研究代表者

中山 敬一  九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80291508)

研究分担者 畠山 鎮次  九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (70294973)
北川 雅敏  九州大学, 浜松医科大学・医学部, 教授 (50294971)
キーワードユビキチン / ユビキチンリガーゼ / SCF複合体 / サイクリンE / p27Kip1 / ノックアウトマウス / Skp2 / 細胞周期
研究概要

サイクリンをはじめとする細胞周期に関連する制御蛋白は、そのほとんどがユビキチン依存性蛋白分解によってその発現量が調節されているが、その特異的ユビキチン化機構は一部を除いて長い間不明であった。我々はまず酵母やショウジョウバエの研究を基盤にして哺乳類でユビキチンリガーゼの系統的単離に取り組み、その過程でβカテニンやIκBαといった生物的に重要な分子のユビキチン化酵素を多数クローニングしてきた。今回の研究では、E3の中で特に細胞周期と関連ある分子としてSCF/Skp2という複合体を単離した。SCF/Skp2はSkp1、Cul1、Skp2、Rbx1という4つの分子から成るユビキチンリガーゼ複合体であり、サイクリンEを標的としてユビキチン化し、蛋白分解を誘導する活性を持つことが明らかとなった。同時にSCF/Skp2はサイクリンEの阻害分子であるp27Kip1のユビキチン化も促進し、分解を導くことが明らかとなった。この複合体中で実際に標的蛋白であるサイクリンEやp27Kip1を結合・認識するのはSkp2という分子であった。我々はSkp2、Skp1、Cul1の3つの分子についてノックアウトマウスを作製した。Skp1とCul1のノックアウトマウスはどちらも胎生6日付近で致死となり、細胞内にサイクリンEの過剰蓄積が認められた。それに対し、Skp2ノックアウトマウスは正常に発生し出生するが成長の遅延が認められた。このマウスから得た細胞ではサイクリンEとp27Kip1の過剰蓄積が観察され、さらに核の異常増大、染色体の多倍数体化、中心体の過剰複製が認められた。以上のことより、サイクリンE及びp27Kip1という細胞周期制御にとって特に重要な因子がSkp2を含むユビキチンリガーゼによって発現量が調節されていることが生化学的及び遺伝学的方法によって明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Nakayama K.: "Targeted disruption of Skp2 results in accumulation of cyclin E and p27Kip1, polyploidy and centrosome overduplication"EMBO J.. 19. 2069-2081 (2000)

  • [文献書誌] Tsukiyama,T.: "Down-regulation of p27Kip1 expression is required for development and function of T cells"J.Immunol.. 166. 304-312 (2001)

  • [文献書誌] Takai,H.: "Aberrant cell cycle checkpoint function and early embryonic death in Chk1-/-mice"Genes Dev.. 14. 1439-1447 (2000)

  • [文献書誌] Shimoda,K.: "Tyk2 plays a restricted role in IFNα signaling, although it is required fo IL-12-mediated T cell function"Immunity. 13. 561-571 (2000)

  • [文献書誌] Yamanaka,A.: "Cell cycle-dependent expression of mammalian E2-C regulated by the anaphase-promoting Complex/Cy closome"Mol.Biol.Cell. 11. 2821-2831 (2000)

  • [文献書誌] Tojima,Y.: "NAK is an IκB kinase-activating kinase."Nature. 404. 778-782 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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