研究課題/領域番号 |
12213140
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研究機関 | (財)癌研究会 |
研究代表者 |
中村 卓郎 財団法人癌研究会, 癌研究所・発がん研究部, 部長 (00180373)
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研究分担者 |
岩崎 正幸 日本学術振興会, 特別研究員(PD)
木南 凌 新潟大学, 医学部, 教授 (40133615)
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キーワード | Evi9 / BXH-2マウス / 骨髄性白血病 / NUP98-HOXA9 / Meis1 / 胸腺リンパ腫 / Rit1 / アポトーシス |
研究概要 |
マウスの造血器腫瘍の系を用いて、その原因遺伝子を同定しこれらの遺伝子の発がんにおける生物学的意義を検討し、さらに対応するヒト遺伝子を同定してヒトのがんでの関与を検討した。中でもマウス骨髄性白血病原因遺伝子でヒトB細胞腫瘍原因遺伝子のEvi9とマウス胸腺リンパ腫のがん抑制遺伝子Rit1の機能、細胞内局在を検討した。Evi9はSUMO化を触媒する酵素Ubc9及びPias3と結合することが明らかになり、nuclear speckle形成との関係が示唆された。Rit1はHeLa細胞では著名な細胞増殖抑制作用を示すことが判明した。Rit1蛋白は胸腺T細胞では細胞膜周辺に存在するが、何らかのシグナルに呼応して細胞質から核に移行し、胸腺内皮細胞とのシグナル伝達がその機構の一端を担うと考えられる。Rit1内部欠失が頻繁に観察されたが、切断・再結合配列の特徴からV(D)J組換え活性がRit1内部欠失の発生に深く関わることが分かった。EVI9のヒトB細胞性腫瘍でのコピー数の増加が指摘された。Rit1-KOマウスの解析から、T細胞の生存にRit1が関与していることが分かった。さらに、NUP98-HOXA9のトランスジェニックマウスを解析し、G-CSFに対する過剰応答性、骨髄中の前駆細胞の顕著な増加が明らかになり、また白血病発症に際して協調する遺伝子としてMeis1が同定された。ヒトにおいて新規のNUP98-HOXAキメラを同定した。染色体16番上に存在する未知のがん抑制遺伝子の検索から、いくつかの候補遺伝子を見いだした。
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