研究課題
特定領域研究
H.pylori(Hp)感染スナネズミに化学発がん物質N-methyl-N-nitrosourea (MNU)を投与し誘発した胃発がんモデルを確立し、炎症、腸上皮化生(IM)、胃がんの組織型などがヒトに類似した優れた疾患モデルであることを示した。発がん抑制には早期除菌ほど有効で、逆に感染時期は早い程発がん促進に働いた。高濃度食塩摂取は塩分濃度依存性にHp感染による炎症を増悪させ、胃発がん率を増加した。Hp感染のみで胃がんが誘発されるか検討した。Hp感染初期からIMを伴った異所性増殖性腺管(HPG)が発生しその進展とともに漿膜下まで増殖したが、除菌によって減少しうる可逆性病変であった。Hpの腺胃発がんにおける役割はプロモーション作用と考えた。IMはヒト分化型腺がんの前がん病変と考えられてきたが、25例の胃がんは、胃型40%、混合型52%、腸型8%と胃型がん細胞を含むがんは全体の92%を占めており、IMを前がん病変と想定することは困難であった。NF-κBの標的遺伝子で、その転写活性を制御するIκB遺伝子の転写量は、Hp感染による増加、除菌による低下が見られた。スナネズミ腺胃がん細胞内のNF-κBがCag E依存性に活性化され、IL-1β刺激によりIκB、Erk1/2 (p44/42 MAPK)、AKTのリン酸化が確認された。HpのCagEを介したがん細胞への増殖刺激が確認された。スナネズミβ-catenin cDNAはヒト、ラット、マウスと高い相同性を有していた。43例のスナネズミ腺胃がんの内1例(2.1%)でβ-cateninの核へ集積が見られ、コドン34に変異が確認された。その変異は胃がん進展の後期に起こることが示された。Hp感染スナネズミ腺胃化学発がんモデルにおいて、1〜3%のウメエキスを飲水投与したところ、著しく胃がん発生が抑制された。複数のリグナン類にHp運動抑制効果が認められた。
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