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2003 年度 実績報告書

シグナル伝達機構に基づく細胞の分化と死の制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 12215037
研究機関東京大学

研究代表者

一條 秀憲  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (00242206)

キーワードASK1 / ASKファミリー / MAPキナーゼ / アポトーシス / ストレス
研究概要

本研究計画は、細胞の分化と死のシグナル伝達機構の機能解析に焦点を絞ったものであり、その成果は癌化メカニズムの理解に大きく貢献するものと考えられる。特に細胞の分化ならびに死に関わる細胞内シグナル伝達機構としてのストレス感受性MAPキナーゼ系によるシグナル伝達機構を明らかにすることを目標として設定した。本年度は、アポトーシス、細胞分化、自然免疫応答ならびにカルシウムシグナル伝達等におけるASKファミリー分子群の機能を中心に解析を行い、ストレス応答MAPキナーゼ経路と発がんとの関連性の解明を試みた。まず、ASK2ノックアウトマウスを作成した。ASK2ノックアウトマウスの解析によりASK1に加えてASK2も少なくとも酸化ストレスによって誘導されるアポトーシスに必要であることが明らかになった。これまでに、ASK1-MAPキナーゼ系活性化の生物学的意義はストレス反応としてのアポトーシス誘導もしくは分化/生存の誘導であることを明らかにしてきた。特に神経細胞においては、ASK1-MAPキナーゼ系の活性化程度依存性に分化/生存もしくはアポトーシスが誘導されることを突き止め、さらにその分子機構としてカスパーゼの活性化ならびに転写因子制御の可能性を示した。さらに最近、カルシウム負荷や自然免疫機構における細胞応答反応にASK1が必須であることを明らかにした。さらに継続して、ASKファミリーであるASK1・ASK2ダブルノックアウトマウスの作製、および他のMAPKKK分子とASK1のダブルノックアウトマウスの作製、ASK1ノックアウトマウスにおける発がん系の負荷などを行い、他のMAPKKK分子との関係も含めて総合的にASK1およびASKファミリーの生理的機能ならびに発がん機構との関連性について解析を行った。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Huang, H.et al.: "Sustained activation of the JNK cascade and rapamycin-induced apoptosis are suppressed by p53/ p21^<Cip1>"Mol.Cell. 11. 1491-1501 (2003)

  • [文献書誌] Takeda, K.et al.: "Roles of MAPKKK ASK1 in Stress-Induced Cell Death"Cell Struct Funct.. 28. 23-29 (2003)

  • [文献書誌] Cho, S.-G.et al.: "Identification of a novel antiapoptotic protein that antagonizes ASK1 and CAD activities"J.Cell Biol.. 163. 71-81 (2003)

  • [文献書誌] Song, S.et al.: "Essential role of E2-25K/Hip-2 in mediating amyloid-beta neurotoxicity"Mol.Cell. 12. 553-563 (2003)

  • [文献書誌] Yamaguchi, O.et al.: "Targeted deletion of apoptosis signal-regulating kinase 1 attenuates left ventricular remodeling"Proc Natl Acad Sci USA.. 100. 15883-15888 (2003)

  • [文献書誌] Takeda, K.et al.: "Involvement of ASK1 in Ca^<2+>-induced p38 MAP kinase activation"EMBO rep.. 5. 161-166 (2004)

  • [文献書誌] Matsuzawa, A.at al.: "Signal Transduction by Reactive Oxygen and Nitrogen Species : Pathways and Chemical Principles"Forman, H.J., Fukuto, J.and Torres, M.(Kluwer Academic Publishers). 411 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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