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2000 年度 実績報告書

形態形成因子Wntによる細胞内情報伝達経路活性化の分子機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 12215069
研究機関京都大学

研究代表者

柳川 伸一  京都大学, ウイルス研究所, 助手 (70183978)

キーワードWnt / Wingless / Casein Kinase I / signal transduction / Drosophila / RNAi
研究概要

形態形成にかかわるシグナル分子Wnt/Wingless(Wg)の生物活性については、様々なモデル動物を用いて分子生物学的研究がなされいる。また各種のWntシグナル伝達異常によって引き起こされたβ-cateninの蓄積が細胞のの癌化の原因となっている事も知られている。本研究の目的は、Wnt/Wgに感受性を持つDrosophilaや哺乳動物の培養細胞と、可溶性のWnt/Wg蛋白を用いて、Wnt/Wgシグナル伝達に関わる遺伝子産物の生化学的相互作用の実体を解明する事である。最近Xenopus胚を用いた解析から、Casein kinase I(CKI)が、Wntシグナル伝達の正の制御因子であるとの報告がなされたが、その普遍性は他の動物系を用いて、検証されているわけではなかった。そこで、本研究ではDrosophilaの系を用いて、CKIのWgシグナル伝達経路における役割の解析を行った。Schneider S2R+細胞をDrosophilaのCKIα及びεのdouble stranded RNA(dsRNA)の存在下で培養するin vitro RNAi法を行って、CKIα及びε蛋白の産生を阻止した。するとXenopus胚を用いた結果に反し、著しいArmadillo(Arm)蛋白質の蓄積が生じた。なおRNAiによってArmのmRNAの変化は認められない事からCKIα及びε、はArm蛋白質の安定性を負に制御していることが明らかとなった。さらにDrosophilaの胚に同じdsRNAを注入して、胚におけるCKI蛋白の産生を阻止したところ、Wgシグナルが過剰に流れた事を意味するNaked cuticleの表現型を持つ胚が発生した。これらの結果は、Drosophilaでは、CKIはWgシグナル伝達の負の制御因子として働いている事を示すものであった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Shin-ichi Yanagawa: "Biochemical characterization of the Drosophlia Axin protein."FEBS Letters. 474巻. 189-194 (2000)

  • [文献書誌] Shin-ichi Yanagawa: "Identification of Notch1 as a frequent target for provirus insertional mutagenesis in T-cell lymphomas induced by leukemogenis mutants of mouse mammary tumor virus."Journal of Virology. 74巻・20号. 9786-9791 (2000)

  • [文献書誌] 柳川伸一: "シグナルの交差点としてのDishevelled"細胞工学. 19巻・11号. 1616-1621 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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