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2000 年度 実績報告書

セントロメアタンパク質ZW10の細胞周期制御機構およびがん細胞における変異の解析

研究課題

研究課題/領域番号 12215153
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

深川 竜郎  国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 助手 (60321600)

研究分担者 池村 淑道  国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 教授 (50025475)
キーワードがん化 / 染色体不安定性 / Bub / セントロメア / DT40細胞 / ZW10 / 紡錘体チェックポイント / Mad
研究概要

染色体が安定に次世代細胞へと受け継がれていくことは、生物にとって最も基本的な性質である。染色体分配機構に狂いが生じると、染色体の異数化、がん化など生物に対して重大な悪影響が生じる。染色体の不安定性に関する基礎知見はがんの生物学的特性を理解する上で重要である。我々はがん化と染色体不安定性の関係を理解するために、新規セントロメアタンパク質ZW10の機能解析を行っている。ZW10はショウジョウバエで染色体不安定性を引き起こす変異体の原因遺伝子として単離され、M期にセントロメアに局在することが知られている。また、変異体の姉妹染色分体は微小管の重合阻害剤であるコルセミドの処理により分離してしまうことから、チェックポイントタンパク質の可能性も示唆されている。しかしながら、ショウジョウバエの変異体は蛹で致死となるため、詳細な細胞遺伝学的な研究は遅れている。本年度の研究において、テトラサイクリン(TET)の遺伝子発現制御システムを応用してZW10の条件的ノックアウトDT40細胞株を作成した。作成した条件的ノックアウト株は3アリルから成るすべての野生型のZW10遺伝子座を薬剤耐性遺伝子が置換され、TETで発現が制御されるプロモーターの下流につないだZW10cDNA遺伝子のみを保持している。従って、TETの添加によりZW10の発現を条件的にコントロールできる。本株にTETを加えてZW10の発現を抑え、なおかつ微小管の重合阻害剤であるコルセミドを添加すると細胞周期が進行した。この結果はZW10が紡錘体のチェックポイントタンパク質であることを強く示唆している。現在、ノックアウト株における染色体の不安定性とZW10とMadやBubファミリータンパク質との関係について解析している。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 岡村淳: "Gene structure, chromosomal localization and immunolocalization of chicken centromere proteins CENP-C and ZW10."Gene. 262. 283-290 (2001)

  • [文献書誌] 中村保一: "Codon usage tabulated from international DNA sequence databases : status for the Year 2000."Nucleic Acids Research. 28. 292 (2000)

  • [文献書誌] 大野みずき: "Non-B DNA structures spatially and sequence-specifically associated with individual centromeres in the human interphase nucleus."Chromosomes Today. 13. 57-69 (2000)

  • [文献書誌] 野上正弘: "Intranuclear arrangement of human chromosome 12 correlates to large-scale replication domains."Chromosoma. 108. 514-522 (2000)

  • [文献書誌] 野上正弘: "Relative locations of the centromere and imprinted SNRPN gene within chromosome 15 territories during the cell cycle in HL60 cells."Journal of Cell Science. 113. 2157-2165 (2000)

  • [文献書誌] 渡辺良久: "Replication timing of the human X-inactivation center (XIC) region : correlation with chromosome bands."Gene. 252. 163-172 (2000)

  • [文献書誌] 上村隆俊: "Temporal and spatial localization of novel nuclear protein NP95 in mitotic and meiotic cells."Cell Structure and Function. 25. 149-159 (2000)

  • [文献書誌] 金谷重彦: "Distribution of polypurine/polypyrimidine tract sequences in the human MHC region and their possible functions."Major Histocompatibillty Complex, Springer-Verlag Berlin Heidelberg New York Tokyo. 13 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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